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夢幻水滸伝
第百六十八話 力の差その九
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「足腰も強いしな」
「足腰にも自信があるけえ」
「成程な、それで自分にもやな」
「勝つ」
 井伏の今度の言葉は絶対の響きがあるものだった。
「そうするけえな」
「わかった、ほなその言葉な」
「わしにそのまま返すんじゃな」
「そうするわ」
 まさにというのだ。
「ええな」
「じゃあこれからな」
「どちらが勝つかな」
「決着つけるけえ」
「そうするで」
 インファンテは槍を振るい銃も使う、井伏はその彼に向かい張り手等を繰り出す。インファンテは間合いを取ろうとするが井伏は突き進む。
 その状況を見てだった、両軍の兵達は話した。
「お互いに強いな」
「流石にな」
「インファンテさんも井伏さんも」
「お二人共な」
「インファンテさんが間合いを取ろうとされるのに対して」
 その槍と銃を使う為にだ。
「井伏さんはちゃうな」
「そやな」 
 力士の相撲の技を使う為に接近しようとするのだ、しかしだったのだ。
「両極端やな」
「ほんまにな」
「それでどちらが勝たれるか」
「ほんまにな」
「わからんな」
 兵士達はこう話す、そしてだった。
 二人の一騎打ちを見守っていた、闘いはどちらが勝つかわからなかった。
 それは正宗とジオンゴの一騎打ちも同じだった、正宗は彼と闘いつつ言った。
「お見事」
「君もね」
 ジオンゴは自分の前にいる正宗にこう返した。
「相当にだよ」
「拙僧も強いですか」
「僕とスライムに互角なんて」
「ジオンゴ殿もお強いですが」
「スライムもいるからね」
「スライム殿は」
 一見するとライトブルーの大きな透き通ったグミ型のこの世界のスライムに見える。そのスライムを見て言うのだった。
「確かジオンゴ殿と同じく」
「そうだよ、無限にだよ」
 そのスライムも言ってきた。
「僕は成長出来るんだよ」
「そうですね」
「ご主人もあらゆるモンスターや獣の能力を手に入れることが出来て」 
 これは野生児という職業の特徴である。
「そして僕もなんだよ」
「無限に成長しますな」
「そう、何処までもね」
「スライムは最弱のモンスターだよ」
 ジオンゴは正宗にあえてこのことを話した。
「文句なしにね」
「この世界では」
「けれどね、育てるとね」
「これだけ成長するモンスターはないですね」
「そう、そして僕のスライムは神具だからね」
 即ち普通のモンスターではないからだというのだ。
「特別にね」
「多くの能力を次々に手に入れていき」
「並のスライムより遥かに強くなるんだ」
「もうかなり強くなっている自信はあったけれど」
 スライムがまた正宗に言ってきた。
「互角に闘うなんて」
「拙僧も修行してきました故」
 正宗は己の神具岩融薙刀のそれを手に述べた。

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