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戦国異伝供書
第百十二話 はったりその三

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「お主に城攻めの先陣を任せる」
「わかり申した、それでは」
「宜しく頼むぞ」
「そのことは」
「そしてな」
 政宗はさらに話した。
「その時にじゃ」
「鉄砲を使う」
「そうする、持って来た鉄砲を全て使ってな」
 その様にしてというのだ。
「そしてじゃ」
「攻め落とすのですな」
「では」
「その様に」
「では攻める」
 こうしてだった、政宗は城を囲むとすぐに攻めさせた、彼は成実に兵を前に進めさせてそうしてだった。
 鉄砲隊今は旨辛下りている彼等にこう命じた。
「城にいる者達を撃つのじゃ」
「城壁や櫓から攻撃しようとしてくる者達をですか」
「撃てというのですな」
「左様ですな」
「そうじゃ」
 その通りだというのだ。
「そうせよ、姿を見せた敵をじゃ」
「鉄砲で撃つ」
「そうするのですな」
「その様にするのですな」
「そうじゃ、そうして城に向かう者達を助けよ」
 その様にしろというのだ。
「わかったな」
「わかり申した」
「ではその様にします」
「鉄砲で敵を撃っていきまする」
「こちらを攻めようとする者達を」
「そうしてもらう、ではわしの命で撃つのじゃ」
 こう言ってだった、政宗は。
 鉄砲隊に次々と撃たせた、すると。
 城の兵達は撃たれただけでなく一度にまとめて放たれる鉄砲の轟音にも驚いた、それで迎え撃つ動きはかなり弱まり。
 その間に成実が率いる兵達は城に近寄ってだった。
 橋や堀を渡り門を壊し城壁を登っていった、それでだった。
 成実は兵達に命じた。
「よいか、門を壊してじゃ」
「そうしてですな」
「そのうえで、ですな」
「城の中に入る」
「そうしますな」
「そうせよ」 
 まさにというのだ。
「よいな」
「わかり申した」
「それではです」
「その様にしましょう」
「そうするぞ、わしも行く」 
 成実は自ら馬を駆ってだった。
 そのうえで自ら兵を率いて城の中に雪崩れ込んだ、この後は完全に伊達家のものだった。
 城は完全に占領され定綱は本城である小浜城に逃げていった、城が陥落する前にそうして何とか難を逃れた。
 政宗は降った者達に手出しはしなかった、だが。
 彼は城主の座に座ると片倉達に笑って話した。
「皆殺したな」
「撫で切りにしましたか」
「城の者達はな」 
 こう片倉に話した。
「八千の鉄砲を使ってな」
「左様ですな」
「城の者は馬や犬に至るまでじゃ」
 それこそというのだ。
「皆殺したな」
「はい、伊達家に逆らいましたので」
「わしを甘く見るとこうなる」
 政宗は笑ったまま述べた。
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