第十幕その三
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「大変だったんだ、鬱になった時もあるし」
「うわ、病気と縁がある人だったんだ」
「色々なっている人だったの」
「実は」
「大変だったのね」
「そうだよ、死因は胃潰瘍だったけれど」
それでもというのです。
「兎に角ね」
「病気に苦しんだ人だったんだね」
「結核に天然痘に」
「そして糖尿病に胃潰瘍に鬱」
「病気のオンパレードだね」
「被害妄想もあったしね」
こちらもというのです。
「かなり大変だったよ」
「ううん、不健康というか」
「病気の塊?」
「沢山の名作を残したけれど」
「ご自身は病気に苦しんだ人なんだ」
「そうした人だったんだ」
こう皆にお話しました。
「夏目漱石さんはね」
「そうしたお話を聞くと健康第一だね」
「何と言っても」
「そこまで病気に苦しんでいたら」
「沢山の名作を残していても」
「自分自身が大変だよ」
「うん、どの病気にも気をつけてね」
先生はお医者さんとして言いました。
「日々を過ごしていかないとね」
「そうそう」
「先生もそうしてるしね」
「それじゃあね」
「僕達も」
「是非ね、そういえば」
ここで先生はこうも言いました。
「先日文学部の教授さんで痛風になった人がいたよ」
「痛風?」
「あの足の親指の付け根が痛くなるっていう」
「あの病気になったんだ」
「それは大変ね」
「どうもビールがお好きで」
それでというのです。
「ついついね」
「飲み過ぎてなんだ」
「痛風になったの」
「そうだったのね」
「それで苦しんでいるそうだよ」
痛風になってというのです。
「足が痛いし風が少し吹いてもね」
「痛いっていうね」
「痛風になったら」
「身体を触られても痛い」
「泣きそうになる位に」
「僕はなったことがないけれど」
それでもというのです。
「診察を受けたこともあるしね」
「だからだね」
「先生も痛風のこと知ってるね」
「お医者さんとして」
「うん、あの病気もなると大変だから」
それでというのです。
「注意しないとね」
「駄目だよね」
「痛い思いをしたくなかったらね」
「最初から気をつける」
「そうしないと駄目だね」
「そうだよ、ビールの飲み過ぎに気をつけて」
そしてというのです。
「コレステロールにもね」
「気をつけないとね」
「美味しいものを食べても」
「それでもね」
「そうだよ、そうした意味でもね」
痛風のことを考えてもというのです。
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