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宇宙戦艦ヤマト2199〜From Strike Witches〜
出航編
第6話 氷漬く鋼鉄の屍
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兄的な存在である。
 かつてのリベリオン合衆国の海軍兵学校では、士官候補生の訓練指導教官は下士官が行うシステムがあり、教官はそれこそ候補生をシゴキまくり、それに耐えて卒業し士官になった相手に「少尉殿(サー)」と最敬礼で送り出す。そして国連宇宙軍では、このリベリオン式の教育システムが採用されていたのだ。
 このシステムは旧扶桑軍では陸軍で行われていたが、海軍兵学校では建前上、生徒の時点で下士官と同等の待遇で、少尉候補生ともなると下士官よりも上になる。そのため海軍では『教官』と呼ばれるのは兵学校を卒業した先輩の尉官や佐官達のことを指し、それを補佐する下士官のことは『教員』と呼んでいた。
 最も、20世紀中盤の扶桑軍改革時に教育システムの一部がリベリオン式に変えられたので、22世紀末にその経験をした事のある者は「大和」乗員にはいないのだが。

「成績はともかく、女の扱いがなってませんでしたからね」

「さすがに教えなかったか?」

「あれは、教えるもんじゃないでしょう」

「まぁ、そっちはそっちで大変だろうから、気をつけてな」

「大丈夫ですよ、やばくなったらさっさとずらかります」

「土産を忘れるな」

「勿論です」

 そんなことを言い合い、有賀と榎本はお互いの持ち場に付くために別れる。そして有賀は、視線を合わせないように互いに『ふーん』という顔をしながら、艦橋に向かう古代と森の姿を見つめる。
 何とも子どもっぽく、また微笑ましい姿である。こうして見ると、お姉さんぶっている森も大して変わらないように見える。

「案外、あの二人合うかもしれないな」

 有賀は2人に聞こえない小声でそう呟きながら、彼らの後を追うのだった。

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エンケラドゥス軌道上

 会議後、「大和」は先行して2機の100式空間偵察機を放ち、「天城」から周辺状況のデータを受け取りつつ、エンケラドゥスに近寄る。

「間もなくエンケラドゥスに降下します」

「何か、ひび割れた鏡餅みたいだなぁ」

 艦橋のメインパネルに映し出されたエンケラドゥスを見て、太田がそんな感想を述べる。
 土星の第二衛星であるエンケラドゥスは直径約500km程の小さな星だが、太陽系の各星のなかでは活発な地質活動をしている星である。
 これは、土星やほかの衛星からの潮汐力と内部の放射性物質の崩壊によって起こるもので、南極付近に生じた無数の亀裂から、火山や間欠泉のように水蒸気が噴出されてそれが凍り、星の表面を覆うことで、常に新雪の如き白さを保っている。衛星そのものの白さと水蒸気の噴出によって生じている皹を太田が『ひび割れた鏡餅』と例えるのも無理からずである。
 やがて、南半球を調査していた先行偵察機より報告
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