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おっちょこちょいのかよちゃん
84 激戦化する後半戦
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 三河口、北勢田、奏子は運動会の観戦には夢中になっていたものの、例の警護は忘れてはいなかった。なお、三河口も北勢田も外敵が近づくにつれて起きる心臓の胸騒ぎを感じる事はなかった。
「俺達も飯にするか」
「だが、お邪魔するわけにも行かないからな・・・」
「私、お弁当作ってきてあげたから、かず子ちゃんの所に行くわ」
「了解。ま、俺達も顔を出しに行くか、北勢田」
「そうだな」
 三河口はかよ子のいる所へ、北勢田は長山の所へ、奏子は笹山の所へと向かった。

 かよ子は両親と再会していた。
「かよ子、お疲れ様」
「うん、借り物競争は3等だったけどね。午後は大玉転がしと沖縄民謡やるよ」
「頑張ってな」
 そんな話をしている中、あの高校生が現れた。
「やあ、かよちゃん」
「あ、隣のお兄ちゃん・・・」
「借り物競争の活躍、見てたよ。杉山君も頑張ってたところも勿論拝見させて頂いたよ」
「う、うん、見に来てくれてありがとう・・・。そうだ、午後も応援してね」
「勿論、では」
「あら、折角だから健君も一緒に食べたらどうかしら?」
「いいんですか?俺はよそ者ですし、『敵』が来ないよう警備もしているわけですし」
「いや、いや、気にしなくていいよ」
「恐れ入ります。ではいただきます」

 北勢田は長山の家族の所にいた。
「治君、小春ちゃん、お疲れさん、頑張ってたね」
「うん、こはる、たまいれ、がんばったよ・・・!!」
「そういえば借り物競争にも連れられてたね」
「だってあのおねえさんにもおせわになったし・・・」
「あ、そうだったね」
 長山が自分が異世界の敵に連れ去られそうになる事件を思い出した。
「それじゃ、午後も応援してるよ」

 奏子は笹山の家族に自分の手作り弁当を振舞っていた。
「お姉さん、ありがとう。お弁当まで用意してもらって・・・」
「いいのよ。かず子ちゃんも頑張ってたんだから。そうだ、折角だから藤木君も呼んであげようか?」
「え?藤木君を?」
「お互い応援し合ってたでしょ?」
「いやあ、その・・・」
 奏子は一度立ち上がる。そして藤木を探すなり彼を呼ぶ。
「あら、藤木君」
「あ、貴女はええと・・・」
「笹山かず子ちゃんの隣に住んでる徳林奏子です。この前はウチの高校の文化祭に来てくれてありがとうね」
「あ、はい」
「お弁当作って来たから藤木君もどうかしら?」
「いいんですか?ありがとうございます!」
 藤木にはこの上ない幸運だった。笹山家がいるシートに藤木を呼びよせた。
「あ、藤木君」
「えへへへ、お邪魔します」
「どうぞ」
 藤木は奏子の手作りの野菜炒めやポテトサラダを御馳走になるのだった。
「二人共、午後も頑張ってね」
「はい!」

 午後の部が始まった。最初は1年生女
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