83 運動会の開幕
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
る声の方を振り向いた。
「奏子ちゃん!?」
「徳林さんも来てたのか」
「うん、近所の子が出てるからね」
「笹山かず子ちゃんかい?」
「ええ、そうよ」
「最近藤木君とは仲良くやってるかね?」
「まあ、本人に聞いてみないと・・・」
「それにしてもここの小学校に通ってたら俺ももっとマシな小学校生活になってたのかな・・・」
「あ・・・」
北勢田と奏子は三河口の波乱で壮絶な小学生時代の話を聞いている為、返答は上手くできなかった。
「まあ、この運動会の観戦を楽しんでみるか」
「ええ、そうしましょうよ」
運動会の開会の時刻となった。まず全校生徒が整列する。6年生の一人が選手宣誓を行った後、校長の(無駄に長い)話を終えた。生徒達は各々の指定された応援席に着く。そしてかよ子達はまずは最初に行われる1年生の玉入れを観戦した。続いて2年生の時間制限ドッジボール、そして6年生のリレーが始まる。まる子は自分の姉が走る番になり、姉を思わず応援した。そしてクラスメイト達もまる子の姉を応援する。彼女は恥ずかしがりながらもその応援に応えて全力疾走した。そして次は4年生のソーラン節、そして3年生女子の借り物競走が始まった。
(よーし、おっちょこちょいしないぞ!!)
次々の女子達が走ってカードを拾い、書かれた物や人を持って来たり連れて来る。そしてかよ子が走る番となった。
「お、かよ子の番か」
「かよ子、頑張って!」
両親は娘を応援する。体育の先生の銃の発砲と共にかよ子含む6名の女子が走り出す。そしてカードを拾う。カードには「1年生の女子」とあった。かよ子は1年生の応援席へ向かった。
「ねえ、誰かカードに『1年の女子』って書いてあったんだ、誰か来てー!!」
かよ子は呼ぶ。
「こ、こはる、いく!!」
応えたのは長山の妹・小春だった。
「小春ちゃん!ありがとう!」
かよ子は小春を連れてゴールへと向かった。結果は3等だった。
「かよちゃん、やるな」
「まさか、小春ちゃんを連れて行くとは」
「カードに『1年生の女の子』って書いてあったのかしら?」
「だろうね」
「あ、次はかず子ちゃんが走る番ね!」
奏子は笹山を応援した。笹山は玉入れの玉を借りて2等でゴールした。
「かず子ちゃんもやるね」
「ええ」
その時、「笹山さん、凄いぞ!!」と叫んだ男子がいた。
「あれは藤木君かね?」
「そうみたいね」
高校生三人は笑った。一方の笹山は恥ずかしがった。
(もう、藤木君ったら・・・!!)
次は冬田の走る番が来た。
(大野くうん、頑張るわあ!!)
冬田は大野の事を考えてやる気を漲らせた。冬田は駆ける。カードを拾うと「帽子」とあった。女子は鉢巻の為、男子の助けが必要である。
「だ、誰か帽子貸してえ!」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ