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おっちょこちょいのかよちゃん
83 運動会の開幕
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 森の石松はまる子が必死に走っていく姿を見た。気付かれぬよう追ってみると彼女の通う小学校だった。大野に遅刻した事を怒鳴られている。
(さくらももこか・・・。あの者には炎の石を持たせたが。あの者、何か(たる)んどる・・・。組織『次郎長』の構成員として恥ずかしくないのか、全く・・・!)
 石松はまる子に呆れながら姿を消した。

 三河口は北勢田、濃藤と下校中、石松と出会う。
「三河口健、北勢田竜汰、濃藤徳崇」
「森の石松・・・?」
「去る日の祭り事はご苦労であった。ところでだが・・・」
「頼み事か?」
「ああ、山田かよ子らがいる学び舎では運動の競い合いがあるそうであるな」
「ああ、運動会の事だね」
「お主ら、護衛を頼みたいのだが・・・」
「ああ、いいよ。俺達も丁度見に行こうと思ってたところだからね。でも濃藤は妹さんが通う学校でも運動会があるって言ってたから生憎いけないんだが・・・」
「いや、有難い。向こうの方の学び舎も護衛がおれば問題はなかろう」
「そうだね」

 夜、かよ子はある事を誓いながらベッドに入った。
(絶対におっちょこちょいしないように気を付けよう!!そして杉山君達に恥をかかさないように・・・!!)
 そう誓って眠りについた。

 杉山も練る準備をしていた。
(明日の運動会、必ずベストを尽くしてやる!大野と共に皆を動かしてきたし、俺達の特訓の成果を見せるんだ!!)
 杉山も強い決意を持って寝た。

 かよ子の通う小学校の運動会が始まった。かよ子は運動会当日ですら遅刻ギリギリで到着したまる子とばったり出会った。
「あ、まるちゃん、急いで!もう皆着替え終わってるよ!」
「ええ!?」
 まる子は急いで体操着に着替えた。そして時間になった。大野と杉山が黒板の前に立つ。
「よし、皆!今日は待ちに待った運動会だ!!全力で戦うぞ!!」
 大野の言葉に皆は「オー!!」と返事をした。

 かよ子の両親は娘の運動会の観戦に出かける。
「あ、まきちゃん!信彦さん!」
 隣人の奈美子が呼ぶ。信彦というのはかよ子の父の名前である。
「健ちゃんもかよちゃんとこの運動会観に行くって」
「あら」
「この前の文化祭に来てくれたお礼もあるし、もしかしたら赤軍とかが乱入してテロを起こさないか警備も兼ねる為だって。健ちゃん、迷惑かけんようにね」
「はい、畏まりました。宜しくお願い致します」
「あら、宜しく。かよ子も喜ぶわ」

 校庭には多くの保護者達が現れた。三河口は長山の両親と同行していた北勢田と合流した。
「お、北勢田」
「ああ、ミカワか」
「今の所は俺の心臓は異常なしだが、そちらは?」
「こっちも特にない」
「なら、開会を待つか」
「あら、三河口君、北勢田君じゃない」
 二人は聞き覚えのあ
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