暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第57話:地下での攻防
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ーネの鎖鞭が伸び、弦十郎の脇腹を貫く。

「うぐっ?!」
「いやぁぁぁぁぁっ!?」
「し、司令!?」
「おっちゃん!?」

 脇腹を突かれ、血を流す弦十郎を見て未来が悲鳴を上げる。

 勝ち誇るフィーネだったが、弦十郎は最後の力を振り絞り立ち上がるとフィーネの腹に拳を叩き込んだ。

「おぉぉっ!!」
「あっ!? ぐあっ?!」

 弦十郎の最後の一撃をまともに喰らい、扉に向けて飛ばされた。その際彼の脇腹に刺さっていた鎖鞭が引き抜け、傷口から血が流れ出る。

「ぐ、うぅ……」
「ッ! 今だ!」
「させません!」

 最早弦十郎は虫の息だ。今なら勝てると白メイジの1人が動いたが、その前に少しは動けるようになったアルドが立ち塞がりハーメルケインで突いた。その一撃は決定打とはならなかったが、それでも動きを阻害し颯人が行動するだけの時間は稼いでくれた。

〈キャモナ・スラッシュ・シェイクハンド。フレイム、スラッシュストライク! ヒーヒーヒー! ヒーヒーヒー!〉
「はぁっ!!」
「うわっ?!」
「ぐぅっ?!」

 アルドが稼いでくれた一瞬の隙に、颯人はスラッシュストライクを発動し2人の白メイジを倒す事に成功する。

 しかしその間にフィーネにはアビスに向かってしまった。颯人はフィーネが入っていった扉を見て歯噛みして悔しがる。

「くそ、結局行かせちまった。アルド、緒川さん。ここは任せた。俺はあっちを追う」
「分かりました。颯人君、気を付けて」
「心配はおっちゃんの方に向けてやんな」

 颯人はそれだけを告げてフィーネの後を追おうとした。
 だがその彼の背に、アルドが声を掛けて引き留める。

「待ちなさい、颯人」
「っと、とと! 何?」

 突然呼び止められ、勢いを殺された颯人は少し不満そうな声を上げる。アルドはそれに構わず、ハーメルケインを杖にして颯人に近付くと懐から金属製の小箱を取り出した。

「颯人、一旦変身を解除しなさい」
「何で……って、質問する時間も惜しいか」

 言われるがままに颯人が元の姿に戻ると、アルドは小箱から赤と緑の液体が入ったアンプルを取り出し中身を小瓶に入れて振り交ぜ注射器に移した。
 次のアルドの行動を察した颯人は露骨に嫌そうな顔をする。

「おいおい、まさかとは思うが……」
「大人でしょう。注射一本で文句言わないの」
「注射云々じゃなくて、その中身の問題なの。明らかに人に打っちゃ不味い色してるぞ?」

 濁ってはいないが、普通に病院で治療を受ける時には絶対目にする事の無い色をした薬液だ。どんな効果があっても体に入れたいものではない。
 そんな颯人の考えなど気にした様子も無く、アルドは颯人の腕を取ると服の袖を捲り容赦なく注射を打った。逆手に
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