逆さ屏風
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あの動きは何だ。『縮地』というのか?驚くべき速度で産婆はキヨシの間合いに入り、その襟首を掴んだのだ。少なくとも俺にはその動きが追えなかった。
「そこに直れえぇい!!その根性を叩きのめしてくれる!!!」
頑強なふくらはぎを晒し、子供の頃から畏れ続けた『なまはげ』とまったく同じ顔をして、産婆は震えるキヨシを引きずって、自宅の裏に消えていった。
「…〆ちゃダメですよー、大人ですからねー…」
俺の声が彼女に届いたかどうかは知らない。
暫くして、恐る恐る裏庭を覗き込んでみると
一番樹齢の高い柿の木に、キヨシが逆さ吊りにされていた。
ボコボコにされてうなだれるキヨシは、逆さまにしてみても
ハゲのおじさんには見えなかった。
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