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日本国召喚〜Country survival〜
邂逅編
第7話 終戦、ロデニウス戦役
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の規模縮小を宣言するとの事です。クイラ王国に対しては、実際に戦闘は行っていないものの、一部地域を割譲するとの事です。我が国はロウリア王国に対し、国交と通商協定の締結を求め、相手方はこれを受理しました。今回の武力衝突で使用した燃料・弾薬の代金に関しては、通商協定の内容でどうにかするしかないでしょうが…」

「講和内容としては、予想通りですね。下手に持てるもの全てを搾り取ろうとすれば、相手方の抵抗を生み出す事になりますし、何より国内のメディアや世論から見れば、只の植民地獲得のための行動にしか見えませんからね」

 吉田の報告に、垂水はそう言いながら一息つく。すると今度は、渥美が口を開いた。

「ですが総理、問題は余計に増えました。ロウリア王国に対して軍事支援を行っていたという列強国、パーパルディア皇国の存在に、未だに戦争継続を唱える派閥の抵抗です。前者はロウリア軍高官や、ロウリア艦隊に乗っていた彼の国の武官からの聴取で、後者は講和会議にて、ロウリア王国側代表として出席したアルダ王子殿下からの情報で明らかになりました」

 渥美の言葉に、一同は顔を暗くする。確かに戦争自体は1ヵ月程度で終わった。しかしこれで総てが解決したかと言うと、実際にはより深刻化したと言った方が正しい。
 先ず、ロウリア王国に対して軍事支援していたという国の存在が明らかになった事により、政府と自衛隊は今後の防衛体制と外交体制の見直しに迫られる事となった。他国に軍事支援を行える程の国力を持つとなると、当然ながら軍事力も相当な規模を有しているのは明らかである。また策略を以て侵略を容易くする手を打ってきている事から、旧世界での中国やロシアの様な野心を秘めているのも否定できない。
 また、ロウリア国内の情勢も不安定となっているのも頂けない。ロウリア王国国王は全ての責任を持って退位したが、王位継承第一位のエルダー皇太子は継戦派で、講和会議前に何人かの継戦派の官僚・軍高官とともに姿を消した。そのため現在は中立の立場にいた第二王子が即位する事となったが、講和派のアルダ王子を摂政として、講和派や亜人殲滅に反対していた者達を中心とした臨時政府が事実上ロウリア王国の政治を担う事となる。そして当然、それに反発する動きが生じるのも間違いないだろう。

「情報局としては今後、周辺諸国に対して情報網を展開し、超法規的な諜報活動と何らかの工作を実施する必要性があると存じます」

「つまりは詭道も躊躇わずに使わなければ、この国は危うい事になる、か…分かった。情報局の予算と人員は大幅に増やす事としよう。それに、戦争に繋がる問題を我が国から起こす可能性もあり得るからな…」

 垂水はそう呟きながら、窓の外に広がる東京の街並みに目を移す。
 幾多もの戦乱と特殊生物との戦闘で破壊される度に再建を繰り
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