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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
第108話
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ーニアの質問に対してリィンは静かな表情で答え

「そう、”そこ”があたしには一番理解できないのだよ。主の国は”報復”の為に、主の敵の国は”野望”の為に”戦争”をしている状況で、双方を和解に導く等正に”夢物語”のようなもので、”戦争を終わらせる為には”どちらかが必ず犠牲にならなければならない。”彼らは”正義”は主の国にあり、自分達の国に”非”があり、主の目的が結果的には彼らの国を”救う”事になると理解していながら、主のやろうとすることを阻む事が理解できないのだよ。」

「……そうですね、その点についてはわたくしもレジーニアと同意見です。そもそも”第三の風”とはいっても、それが通じるのはエレボニア帝国内での話で、他国であるメンフィルやクロスベルからすればヴァイスラント新生軍と違って毒にも薬にもならない何もかもが中途半端な勢力のようなものです。ましてや彼らには”軍”という”力”すらもないのですから、”力無き正義”を掲げた所で、軍と軍のぶつかり合いを止めること等不可能です。」

「……それでも……それでも、最初から諦めて、”自分達では何も変えられない事と判断する事”はできないんだと思う。後は内戦での活動の件もあるだろうな。内戦は今回の戦争程絶望的な状況ではなかったが、それでも当時の俺達にとっては絶望的な状況で、俺達はその状況を少しでも変えるために活動して、その結果何とか内戦を終結させることはできたからな。」

レジーニアとルシエルの意見を聞いたリィンは複雑そうな表情を浮かべて答えた。



「なるほど。なまじ”実績”がある事で今回の戦争の件も”どんな絶望的な状況であるおろうとも自分達で状況を変えられるという自信”がついているから、今回の戦争でも引き続き”第三の風”とやらを名乗る勢力を保っているのか。」

「その件に加えて”学生”という若さでありながら、どんな絶望的な状況であろうとも諦めない不屈の心が備わっている事も関係しているでしょうね。―――どうやら彼らに対する評価を上方修正しておいた方がよさそうですね。」

リィンの説明を聞いたレジーニアは納得した様子で呟き、レジーニアに続くように言葉を続けたルシエルは表情を引き締めた。

「おや、優秀で今まで高い戦果を挙げ続けてきた君の事だから”愚か”の一言で”紅き翼”とやらを評価すると思っていたのだが、意外な答えだね。」

一方ルシエルの答えを聞いたレジーニアは目を丸くして指摘した。

「…………確かにこちらの世界に来るまでのわたくしでしたら、そのような事を言っていたでしょうね。ですが、わたくし達がこちらの世界に来る切っ掛けとなった戦いでどれだけ有利な状況でその為の準備をしても、”戦場”では様々な想定外の事態が起こり、それらの事態によってどれだけ有利な状況であろうとも敗北の戦局へ
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