第108話
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、この”足湯”というものは。確かにこれなら、主や主の両親も言っているように英気を養う事はできるだろうね。」
「ああ、ユミルの自慢の一つでもあるからな。折角だから、俺も堪能させてもらうとするか。」
そしてリィンは靴下と靴を脱ぎ、ズボンも膝まで上げて足湯に浸かり始めた。
「ふう……温まるな。」
「ええ、それに考え事をする時にもちょうどいいですね。」
「体との接触面がそんなに大きくないのに不思議だな。」
足湯に浸かったリィンの感想にルシエルは同意し、レジーニアは興味ありげな表情を浮かべていた。
「それにしても、二人の相性は悪そうに見えていたが、なんだかんだ言っても、二人が一緒にいる所を割とよく見かけるな。」
「別にあたしは望んでルシエルと一緒にいる訳じゃないんだがね。大体はルシエルがあたしに近づいて、色々と五月蠅い事を言ってくるんだよ。」
「貴女がその異端な考えを改めるのであれば、わたくしも一々貴女に説教することもないのですが?全く……仮にも貴女は”守護天使”なのですから、せめて貴女が”導く”相手であるリィン少将の為に貴女が今まで手に入れたその知識を活用するといったこともできないのですか?」
リィンの指摘にレジーニアが不満げな様子で答えている中、顔に青筋を立てたルシエルは溜息を吐いた後呆れた表情を浮かべてレジーニアを見つめた。
「生憎ながら、今までのあたしの知識は常識等何もかもが違う異世界であるこの世界出身の主にとっては不要のものだよ。そしてあたしは異世界の事を知る事であたしの探究心を満たすと共に主の役に立つ知識を手に入れる為にも、こうやって日々この世界の事を学んでいるじゃないか。」
「貴女の場合、リィン少将の為に知識を増やす事は”ついで”のようなもので、貴女自身の探究心を満たす事が”本音”でしょうが。」
「まあまあ……」
読んでいた導力技術関連の本をわざとらしく見せて答えたレジーニアの答えを聞いたルシエルが顔に青筋を立ててレジーニアを睨んでいる中、リィンは苦笑しながらルシエルを諫めようとしていた。
「そういうルシエルこそ、あたしやユリーシャのような”守護天使”でないにも関わらずわざわざ”参謀”を務める事を申し出て君自身に備わっている智謀をリィン少将の為に存分に活用することと言い、生き残った部下達を君や主と共に戦う事を説得したことといい、先程言ったようにあたしに主にもっと尽くせと注意した事といい、随分と主に対して忠義を尽くしているじゃないか。トリスタでの件が終わってから君がそんな風になっていることから推測すると、生き残った部下達の治療に加えて保護してもらった事で主に対する情が移ったのかい?」
「…………確かに、部下達の件でリィン少将にわたくしの治療と
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