第108話
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帝都にある我が家にお二人それぞれの私室を用意させて頂きますし、家系図にもお二人の名を記させて頂きます。ですから別に今就いておられるメンフィル帝国軍を辞めて、ヴァンダール家に来て欲しいといった”ヘッドハンティング”の類ではないのでご安心ください。」
リィンの確認に対してオリエは苦笑しながら答え
「母上、”ヴァンダール流槍術”の師範の件はともかく、二人をヴァンダール家の一員にする件を父上や叔父上の許可もなく決めてよかったのですか?ちなみに僕は母上の提案に賛成ですが……」
クルトは僅かに驚きの表情を浮かべてオリエに訊ねた。
「ゼクス将軍には既に話して賛成してもらっていますし、あの人も私の提案を聞けば賛成すると思います。”ヴァンダール流”の伝承者として”ヴァンダール流槍術”が既に廃れていて、存在だけしか伝わっていない事実に残念がっている事は貴方も知っているでしょう?」
「言われてみれば、”ヴァンダール流槍術”の存在を僕に教えた時の父上はどことなく残念がっていましたね……」
オリエの説明を聞いたクルトは苦笑しながら答えた。
「それで二人はどうするんですか?」
「あー……俺は別に大昔の先祖の家系に拘っていないから、ヴァンダールの一員云々の件はパスで。」
「オリエさん達のご好意はありがたいですが、僕も必要ありません。父さんもそうですが、先祖達も今まで”ヴァンダール”の家名を名乗っていない事からして、恐らく”ヴァンダール”の家名に拘っていなかったでしょうし、僕も兄さん同様家名もそうですが身分にも拘っていませんので。」
リィンに訊ねられたフォルデとフランツはそれぞれ断りの答えを口にした。
「そうですか……でしたら、師範の件はどうでしょうか?勿論、師範―――”講師”を務めて頂くのですから”講師代”は用意させて頂きます。」
「まあ、それくらいだったら。……ただ、僕の伝位は”中伝”ですから、それでもいいと言うのでしたら構いません。」
「俺も”講師”でしたら構わないっすよ。将来用の貯金の為のちょうどいい小遣い稼ぎにもなりそうだしな♪」
「せめて、”ヴァンダール流槍術”を教える時は真面目な態度で接してくださいよ、先輩……」
オリエのもう一つの確認にフランツの後に同意したフォルデの答えに冷や汗をかいたリィンは疲れた表情で指摘した。
その後クルト達と別れて、郷の見回りを再開したリィンは郷の中央にある足湯にそれぞれの足を足湯に浸からせて足湯を堪能しているレジーニアとルシエルに近づいて声をかけた。
〜ユミル〜
「レジーニア、ルシエル。さっそく足湯に浸かっているのか。」
「ええ、お先にいただいています。」
「中々いいものだね
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