第108話
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たフォルデはクルトに訊ね、訊ねられたクルトは静かな表情で答えた。
「うげっ…………親父やフランツといい、お前といい、ヴァンダール流の系譜はホント真面目で鍛錬が好きな奴ばっかだよな……」
「ふふっ、それについては夫もそうですがゼクス将軍やミュラーさんもそうですから、否定はできませんね。」
クルトの答えを聞いたフォルデが嫌そうな表情を浮かべて呟いたその時郷の方角からオリエが苦笑しながら歩いてリィン達に近づいてきた。
「母上?何故郷から外れているこの渓谷に……」
「……いや、オリエさんは結構前から俺達を見守っていたよ。具体的に言えば、俺がクルトの相談に乗っている最中辺りですよね?」
オリエの登場にクルトが驚いている中リィンは冷静な様子でオリエに確認した。
「ええ、シュバルツァー男爵閣下とルシア夫人にご挨拶をした後に屋敷を出た際に二人を見つけましたので。」
「あの時から既に……というか、僕との会話の最中に遠くから見守っていた母上の気配まで察知できるなんて、リィン少将の気配察知は尋常ではありませんね……」
「ハハ、クルトもいずれできるようになるさ。」
オリエの話を聞いて驚きの表情を浮かべたクルトに見つめられたリィンは苦笑しながら答えた。
「―――こうしてご挨拶をするのは初めてになりますね。ヴァンダール子爵家が当主マテウス・ヴァンダールの後添いのオリエ・ヴァンダールと申します。フォルデ殿の事は息子より色々と伺っております。色々と至らぬ息子をフォローして頂いている事、心より感謝しています。」
「あー……俺はそんな大した事はしていませんから、わざわざ頭まで下げる必要はないッスよ。」
オリエに頭を下げられて感謝の言葉をかけられたフォルデは気まずそうな表情を浮かべて答えた。
「ふふっ、ご謙遜を。――――――クルトからフォルデ殿が獅子戦役時に廃れたはずの”ヴァンダール流槍術”の使い手だという話も聞いています。それで、もしよろしければ、フォルデ殿もそうですがフランツさんも今回の戦争後我が家に”ヴァンダール流槍術”の師範として、私達ヴァンダール家の者達もそうですが門下生達にも”ヴァンダール流槍術”を教えて頂けないでしょうか?勿論、お二人が望むのでしたら、お二人をヴァンダール家の一員になって頂いても構いません。」
「”ヴァンダール家の一員になっても構わない”ということはフォルデ先輩とフランツの家名に”ヴァンダール”を追加する事を許可するという事ですか?」
オリエの提案を聞いたリィンは目を丸くしてオリエに訊ねた。
「フフ、”許可する”といったそのようなお二人に対して失礼な事を言うつもりはありません。ヴァンダール家の一員になって頂けるのでしたら、当然
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