第108話
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まだだな……今後の鍛錬は体力の増強に重点を置くべきかもしれないな……」
「フウ……体力の差で何とか勝てたけど、体力が互角だったら負けていたかもしれなかったね……」
リィンが模擬戦の終了を告げると地面に膝をついているクルトは息を切らせながら今後の鍛錬について考え、フランツは疲れた表情で溜息を吐き、二人はそれぞれ武器を収め、クルトは立ち上がった。
「―――二人ともお疲れ様。特にクルトは相当健闘したじゃないか。」
「そうだね。特に手数の多さに関しては完全に僕より上だよ。」
「いえ……まだまだ未熟です。ですが、以前の鍛錬でまともに相手してもらえなかったフォルデさんとの鍛錬の時と比べれば飛躍的に成長している事は自覚できました。――――――お二人とも、貴重な休暇を僕の鍛錬の為に時間を割いて頂きありがとうございました。」
リィンとフランツに称賛されたクルトは謙遜した後頭を下げて感謝の言葉を述べた。
「やれやれ……せっかくの休暇を鍛錬で過ごすとか、クソ真面目なお前達らしいねぇ。」
するとその時フォルデが渓谷の奥へと続く道からリィン達に近づいてきた。
「フォルデ先輩……その様子からすると、もしかして今まで渓谷で釣りをしていたんですか?」
フォルデが持っているバケツや釣り竿に気づいたリィンはフォルデに確認した。
「おう。お前の親父さんに釣りができる場所がないか聞いた時に、いい場所を教えてくれた上釣り竿も貸してくれたんだ。お陰で大量に釣れたから、今からお前の実家に持って行って晩飯の材料にしてもらうつもりだ。」
「そうですか。わざわざすいません。」
「それよりも兄さん。クルトとの鍛錬をリィンから頼まれるまで、まともに相手をしなかったそうだね?クルトは複雑な事情があって、エレボニア帝国人でありながら僕達に力を貸してくれているのだから、そんなクルトを気遣って誰かに言われるまでせめて鍛錬はまともに相手をするという心遣いもできないの?」
フォルデの話を聞いたリィンが感謝の言葉を述べた後フランツは呆れた表情でフォルデに指摘した。
「まあまあ、せっかくの休暇なんだから固い事を言うなって。それに今後はお前がクルトの相手をしてくれるんだろう?だったら、それでいいじゃねぇか。クルトもお前と同じクソ真面目なフランツだったら話も合うし、フランツならいい加減な戦い方をする俺と違って真面目な戦い方だからそっちの方がいいだろう?」
「…………いえ、むしろフォルデさんのトリッキーな戦い方でヴァンダール流を振るうフォルデさんのヴァンダール流は今まで経験したことがなく、僕にとっては色々と勉強になる鍛錬ですから、むしろフォルデさんとの鍛錬をもっとお願いしたいくらいです。」
フランツの指摘を軽く流し
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