第108話
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「単純な話さ、クルトは優秀だからこそ周りよりも基準点そのものが高いんだ。それでもなお、更なる成長を示すということ……それが人一倍、大変であることは当然だろう。」
「ですが……それだと僕の才能が既に頭打ちとも言える気が……」
「はっきり言っておくが、それは違う。そこから先に進むには確かに難しいが、クルトは既にその壁を乗り越えたはずだ。俺達と挑んだ数々の”本物の戦場”による実戦に、それらを成果として確かめる事ができたノーザンブリアでの西風の旅団の破壊獣との一戦や黒の工房の本拠地でのオズボーン宰相との一戦……その後の戦いを考えても、クルトは決して歩みを止めていない。そのことに気づけていないのは他でもない、君自身くらいだろうな。」
「…………」
「クルトの成長は、誰よりも上官である俺が把握している。とにかく自信を持てってことだ。」
「リィン少将……」
リィンの言葉を聞いたクルトは驚きの表情でリィンを見つめた。
「勿論、現状で満足してもらっても困るけどな。」
「……フフ、当然です。元よりリィン少将もそうですが、フォルデさんを超えるまで、気を抜くつもりはありません。」
「はは、フォルデ先輩はともかく俺はもっと精進しないとな。――――――そうだ、ちょうどいい機会だからクルトに会わせたい人物がいるのだが……少しだけ俺に付き合ってもらってもいいか?」
「リィン少将が僕に紹介したい人物ですか?ええ、いいですよ。」
リィンの提案を聞いたクルトは一瞬不思議そうな表情を浮かべたがすぐに了承の答えを口にした。その後リィンは自身のエニグマで誰かと通信をした後クルトと共に郷の傍にある渓谷に向かった。
〜ユミル渓谷途〜
リィンとクルトが到着するとそこには既にフランツがいた。
「やあリィン。彼がさっきの通信の話で出た?」
「ああ。」
「リィン少将、そちらの騎士の方は一体……?お互いに親し気な様子から察するに、もしかしてそちらの騎士の方はステラさん達と同じ黒獅子の学級(ルーヴェン・クラッセ)時代の同期生の方ですか?」
リィンに親し気に話しかけたフランツを不思議に思ったクルトはリィンに確認した。
「ハハ、その通りだ。――――――紹介するよ。彼はフランツ・ヴィント。ステラ達と同じ黒獅子の学級(ルーヴェン・クラッセ)時代のクラスメイトで、今日から”灰獅子隊”に合流する事になった部隊の一つを率いる部隊長だ。」
「初めまして、フランツ・ヴィント大尉です。今後は君達と共に戦う事になっているから、よろしくね。」
リィンに紹介されたフランツは自己紹介をした後クルトに微笑んだ。
「灰獅子隊に新たに合流することになった……い、いえ……それ
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