邂逅編
第6話 エジェイ会戦
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ルムをはじけ飛ばせる。同時に自走砲に似た車両が轟音とともに砲撃を放ち、それを食らった魔獣は木端微塵に吹き飛ぶ。
正式名称『特殊生物対策自衛隊』、通称特生自衛隊の主力装備たる16式メーサー殺獣光線車のメーサー光線と、19式155ミリ自走電磁加速砲の砲撃は瞬く間に魔獣の群れを叩き潰していき、急激にその数を減らしていく。
『こちら第1即応機動大隊、敵部隊を撃破。現在追撃の準備に取り掛かっています』
「各戦場は順調に進んでいる様だな…」
大内田がそう呟く中、後方の基地と連絡を取っていた通信士が報告を上げてきた。
「大内田司令、ダイダル基地の空自より入電です。間もなく敵軍本部に向けて空爆を仕掛けるとの事です」
「ついにか…」
大内田がそう呟く中、戦場の真上を複数の機影が飛び去って行く。陸自隊員達は未だに来ない敵軍に備えつつ、ギムに居座る敵軍を掃討するために飛んで行った味方を見送るのだった。
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同刻 ギム ロウリア王国軍前線司令部
ギム占領後、パンドールは前線司令部をギムの方に移し、そこから作戦指示を飛ばしていた。
しかし魔信で声は伝えられても、現地の光景は直接見に行ったものしか理解する事が出来ない。先程から通信が途絶している東部諸侯団の現状を知るべく、パンドールは12騎のワイバーンを前線偵察に動員していた。
「まだ、前線の情報が入ってこないのですか?」
ギム領主の屋敷に設置された前線司令部で、アデムは苛立ちを隠す事無く通信兵に尋ねる。その様子に対し、パンドールは随分と穏やかな様子で声をかける。
「そう焦らぬともよいではないか、オーガスタよ。数ではこちらの方が圧倒的優勢なのだ、そう焦らずに彼らの勝利の報告を待とうではないか。だが…増援は欲しい所だな。それと君には一つ、頼みがある」
パンドールはそう言いながら、一つの巻物をアデムに手渡す。
「砲弾と火薬の消費量が、こちらの想定よりも若干多い。優勢とは言え物資が不足しているという情報は迂闊に魔信で伝えられぬからな。敵側にその通信を傍受される可能性もある、増援要請とともに直接王都に戻ってこの情報を王都に伝えてくれ」
「…分かりました。しかし大砲というものは、威力はありますが、その分消費も激しいものですな。これ程の武器を多量に使いこなせねば、列強には程遠いものとなりますな」
「同感だな」
アデムは巻物を受け取ってその場から離れていき、数人の部下とともに馬で西へ移動する。パンドールとその部下達はそれを見送りつつ、空を眺めた。
上空には数十騎のワイバーンが展開し、ギム上空を守っている。噂によればフィルアデス大陸固有種の銀鱗種と交配させたものを魔法強化に
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