暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
騎士道プロミス(小日向未来誕生祭2020)
[1/5]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
「それで、相談ってのは?」

ある日の放課後、翔と純は恭一郎から相談がある、と声をかけられた。

特に用事もなく、クリスも今日はクラスメートらと遊んでくるらしいので、彼は恭一郎と共に音楽院の近くにあるカフェへと向かう。

窓際の席に着き、向かい合って座った恭一郎はしばらく躊躇うような表情だったが、やがて思い切ったようにこう切り出した。

「実は……好きな人が、出来たんだ……」
「ほう……」
「へぇ、どんな人?」

二人とも、さほど驚いた様子ではない。
まるで相手を察しているかのように、少しニヤッとしながらそう返す。

「清楚で、お淑やかで、しっかりとした芯のある人だよ。でも、ちょっと危なっかしい所もあって……だから、守ってあげたくなるんだ」
「なるほど。確かに、恭一郎にはお似合いかもしれないね」
「そ、そうかな?」
「ああ、きっと良い関係を築けるさ。それで、俺達に何を聞きたいんだ?」
「それで、その……」

水を一杯飲み、緊張した心を一旦落ち着かせる恭一郎。
コップを置くと、彼は神妙な顔付きで二人に問いかけた。

「その人に告白したいんだけど……どうすればいいと思う?」



「日替わりケーキセット2つと、秋のフルーツパンケーキです。ごゆっくりどうぞ」

狙い済ましたかのようなタイミングで、それぞれ注文したケーキが届く。

「ありがとうございます」

純はウェイトレスに礼を言い、レシートを受け取った。

「なるほど。さしずめ、俺達デートプランを建てて欲しいって所か?」
「いやっ、デート……はしたいんだけれど、まだ告白したわけじゃないし……」
「デートからの告白、ってパターンはよくあるよ。翔もその一人だし」
「まあな」
「でも、向こうが誘いを受けてくれるとは限らないし……」
「なら、恭一郎にとっての理想はどうなんだい?」
「僕にとっての理想?」

首を傾げる恭一郎。
補足するように、翔が続ける。

「あるだろ?理想のシチュエーション。こんな場所で、こんな風に告白したい……ってやつ。恋してる男なら、誰にだってあるはずだ」
「僕の……理想……小日向さんと……」

純は質問の合間に切ったパンケーキを口に運ぶ。
恭一郎が悩んでいる間、じっくりと味わいながら咀嚼し、やがてそれを飲み込んだ頃に答えは返ってきた。

「──なら、そうしてみたらいいんじゃないかな?」
「でも、ちょっと気障っぽくないかな……って」
「そのくらいでいいんだよ。一世一代の大勝負、どうせなら精一杯カッコつけた方が、後悔しないぞ」
「恭一郎、君が好きになった人がどんな子か、思い出してみなよ」
「小日向さんの事を……?」

もうボロが出まくっているが、本人は気づいていないようなので、翔と純
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ