TURN47 東洋艦隊全滅その九
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至近距離で酸素魚雷を放ってきた。それは砂嵐で威力は弱まっていたがそれでもだった。
エイリス軍を撃つ。エイリス軍は各艦単位で回避運動を行なったが避けきれない艦艇もあった。その艦艇達がだった。
通常よりも低いがダメージを受けた。クリオネはその攻撃を乗艦を上下左右に艦をきしむ様に動かしてから言った。
「威力は弱まってますが」
「ダメージは受けるな」
「はい、また多くの艦が沈みました」
行動不能に陥っている艦も多かった。
「このままでは」
「わかってるさ。じゃあな」
「ここはどうされますか」
「今どれだけ残ってるんだ?」
イギリスが問うのはこのことだった。
「戦局の方は」
「はい、半数です」
そこまで鎮められるかダメージを受けたというのだ。
「残っているのは」
「そうか」
「ではどうされますか」
「ネルソン提督は救出できるか?」
イギリスは最後の願いを託す様にクリオネに問うた。
「できそうか?」
「いえ、残念ですが」
既に太平洋軍の艦艇に乗艦ヴィクトリーは拿捕されている。クリオネはモニターでそれを見ながらイギリスに答えた。
「最早」
「そうか。それじゃあな」
「はい。残念です」
クリオネも落胆しきった顔で述べる。
「この状況では」
「これ以上戦っても損害を出すだけだな」
イギリスはこうも言った。
「それならな」
「撤退ですが」
「全軍スエズまで撤退だ」
イギリスがネルソンに代わって指示を出した。捕虜になってしまった騎士提督の代わりに。
「いいな。そうするぞ」
「わかりました。それでは後詰は私が」
「おい、いいのかよ」
「私にも意地があるんです」
クリオネはその目を燃え上がらせてイギリスに述べた。
「ですからお任せ下さい」
「いいのかよ。下手したら」
「もう失うものもないですから」
まだ東インド会社のことを言う。
「やらせて下さい」
「そうか。それじゃあな」
「祖国さんはお逃げ下さい」
クリオネはイギリスに勧めた。
「スエズまで」
「死ぬんじゃねえぞ」
イギリスはクリオネに述べた。
「いいな。じゃあな」
「はい、それでは」
こうしてイギリスはスエズまで撤退に入った。彼はまだ動ける艦艇を率いて戦場を離脱していく。クリオネは数少ないまだ戦える艦艇を率いて後詰を務めた。艦橋にいる彼女の横には今もゴローンがいる。
その彼がだ。こうクリオネに言った。
「おい、いいんだな」
「何?ロボットならいいわよ」
「出すつもりだがいいんだな」
「今更いいわよ」
クリオネは腕を組み不機嫌な顔で述べた。正面を見ていてゴローンは見ていない。
「この状況じゃね」
「出しても同じだっていうんだな」
「そうよ。魔術の艦隊を出してくれたことは感謝す
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