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夢幻水滸伝
第百六十七話 正攻法その十二

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「ほなはじめるか」
「ええ、そうしましょう」
 相手であるアレンカールも応えた。
「これからね」
「ほなな」
「待っていたわよ」
 アレンカールは楽しそうにこうも言った。
「この時が来ることを」
「そうなんやな」
「あたいも六将星よ」
 それならというのだ。
「ならね」
「戦うこともやな」
「無益な殺生はしないけれど」
 それでもというのだ。
「こうした一騎打ちはね」
「望むところやな」
「あんたともやり合いたいって思っていたわ」
「成程な、それは同じやな」
「お互いそうみたいね」
「そやな、ほなやるか」
「そうしましょう」
 アレンカールは身構えた、そして。 
 中里も身構える、そうしつつ彼に言った。
「ただ、わかってるな」
「ええ、あんたが負けてもね」
「まだ芥川それに綾乃ちゃんがおる」
「そしてあたいはね」
「自分は棟梁やからな」
 だからだというのだ。
「負けたら終わりや」
「その時点で連合は負けるわ」
「そや、けどやな」
「それでもやるわよ」
 一騎打ち、それをというのだ。
「あんたとね」
「そうするんやな」
「言ったでしょう、あたいは一騎打ちが好きだし」
「それにやな」
「あんたは日本の神星の一人」
 中里自身にこのことを告げた。
「そのあんたを倒してへんとね」
「あかんってことやな」
「そう、あんたを倒して」 
 そしてというのだ。
「芥川ちゃんも倒して」
「綾乃ちゃんもやな」
「倒すわ、あたいが三人共倒すわ」
「そして勝つか」
「そうするわ、だからね」
 それでというのだ。
「まずはよ」
「僕と闘うか」
「そうするわ、いいわね」
「わかったわ、ほなやるで」
「今からな」
 こう話してだった、中里とアレンカールの一騎打ちがはじまった。二人は両方の軍勢が戦うその中で死闘を開始した。
 その激しい、刀と拳のぶつかり合いを見てだった。吉川は三笠の艦橋え自分と共にいる将兵達に言った。
「二人も命を賭けた勝負に入った」
「左様ですね」
「これよりですね」
「これからはじまりますね」
「神星同士の一騎打ちが」
「そうなった、ではだ」
 吉川はさらに言った。
「我々はだ」
「はい、このままですね」
「艦隊同士の戦を続けますね」
「そうしますね」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
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