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夢幻水滸伝
第百六十七話 正攻法その七
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「わしは自分の神器やぞ」
「それやったらな」
「よお知ってる、そやからな」
 それでというのだ。
「その忍術の強さも知ってる」
「そういうことやな」
「ああ、しかし自分の采配はって言うな」
「軍を率いて動かすのはやっぱり六将星のモンには後れを取っててな」
「そしてやな」
「隙もあるな」
「中里の旦那の方が上やな」
 狐は芥川にあえて言った。
「やっぱり」
「ああ、あいつの方がな」
「采配は上やな」
「個人の戦闘力もな」 
 こちらもというのだ。
「実はそれは他の六将星のモンも同じや」
「メルヴィルの旦那と施の旦那もや」
「そや、実は戦闘力はな」
「旦那達の方が上やったか」
「そこを何とか勝ってきたが」
「分が悪かったか」
「正直な、リーとは互角やったと思うが」
 それでもというのだ。
「二人とかはな」
「そやったな」
「そや、一瞬でも少しでもしくじったらな」
 その時はというのだ。
「負けてた」
「所謂薄氷の勝負やったんやな」
「そやった、相手が六分で」
 それでというのだ。
「僕が四分」
「言われてみればその感じやったな」
「そやろ、もうあの二人というか六将星のモンと一騎打ちはしたない」
 芥川は狐に本音を述べた。
「あと五騎星の連中ともな」
「欧州の五人やな」
「あの連中も采配は僕より上でな」
「個人の戦闘力でもやな」
「やっぱり上や」
 自分よりもというのだ。
「そやからな」
「出来るだけやな」
「この連中とは一騎打ちしたない、軍勢を率いての勝負でもな」
「負けるか」
「やっぱり僕は軍師や」
 この立場だというのだ。
「策を立てるのが主な仕事でな」
「軍勢を率いるのはやな」
「主な仕事やないからな」
「どうして中里の旦那達よりは落ちるか」
「そっちもな」
 軍の采配もというのだ。
「どうしても、けどな」
「それでもやな」
「今はやるで」
 その苦手という軍の采配を行うというのだ。
「そして僕自身全力でな」
「戦うな」
「そうする、一緒にやるで」
「そやったらな」
「まずは一騎打ちを行うモンはそれぞれの相手に向かうんや」 
 芥川はその采配を振るった、右手の大通連と軍配代わりにして振るう。
「もうそれぞれの場所は把握してる」
「だからだね」
「ああ、自分にも行ってもらうで」
 すぐ後ろにいた玲子に声をかけた。
「今から」
「わかってるさ」
「ほな自分の相手のとこにな」
「今から突き進めばいいね」
「その途中の敵の軍勢は倒していくんや」
 芥川は玲子にこうも言った。
「ええな」
「いつも通りだね」
「ほな行ってもらうで」
「今からね」
 玲子は朱槍を構え笑顔になってだった。
 敵軍、自分の一騎打ちの
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