第百六十七話 正攻法その二
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「あちらさんは」
「誰も思わなかったことね」
「ほんまにな」
「正面から来て」
そしてというのだ。
「攻めて来るつもりね」
「ああ、こっちは夜襲を警戒してな」
「半分寝て半分起きてたけど」
「それでもやな」
「夜襲やなくてね」
「正攻法で来るとはな」
「こうなったら」
ルルフォが苦い顔で言ってきた。
「どうするかや」
「一つしかないわ」
アレンカールはルルフォにこう返した。
「今の状況は」
「そや、戦うで」
「全軍戦闘用意よ」
アレンカールはこの指示を出した。
「いいわね」
「了解や」
「相手は六十万、けれど星の子は多いし将兵も精鋭揃いよ」
「しかも武器の質もええ」
「尚且つどうも英気に満ちているわね」
蓬莱に見える将兵達を見ての言葉だ。
「こっちが長旅と夜の警戒で疲れてるのに対して」
「やばいな」
「ええ、けれど敵が攻めて来るなら」
「迎え撃つな」
「戦闘用意に入って」
そしてというのだ。
「武装して隊列を組んで配置に着いて」
「それから飯やな」
インペルも言ってきた。
「幸い飯の用意は出来てる」
「ええ、武器持って配置に着いてだけど」
それでもとだ、アレンカールはインペルに話した。
「食事もよ」
「摂らせるな」
「疲れていて空腹で戦えとか」
そういうことはというのだ。
「無理なお話よ」
「そやからな」
「全軍食べることもね」
このこともというのだ。
「忘れないことよ」
「そやな、ほな」
「食事の用意もするわよ、パンを食べて」
朝食にというのだ。
「そして戦うわよ」
「よし、やるわよ」
シャーデーは鋭い目で言った。
「私達は確かに疲れているけれど」
「そのハンデを跳ね返すわよ」
「その意気やね」
「ええ、じゃあ今からね」
戦うとだ、アレンカールは言ってだった。
緑の鱗に白い翼を持つ巨大な蛇、ケツアルコアトルに乗った、そうしてだった。
オメテオトルの力を宿した衣を纏い右手にはシウラテクロチの力を宿したナックル、左手にテスカトリポカの力を宿した爪を身に着けた。そうすてケツアルコアトルに言った。
「行くわよ」
「パンは持ったか」
「お水もね」
ケツアルコアトルに笑って返した。
「持ったわ」
「ほな僕に乗ったままでやな」
「ええ、食べるわ」
「そうするな」
「あたい自身も食べないとね」
「やっぱり戦えんな」
「そやからね」
だからだというのだ。
「食べるわ」
「そうするな」
「そしてね」
アレンカールはさらに話した。
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