TURN47 東洋艦隊全滅その六
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「太平洋経済圏には入られないさ」
「そうですね。それでは」
「インドまでの植民地は忘れるしかないさ」
これがエイリスの今の現実だった。
「これからはな」
「このアラビアとアフリカで」
「やっていくしかないんだよ。それじゃあな」
「この戦いに勝ちましょう」
「やるぞ。いいな」
「わかりました」
エイリス軍は反撃の時を待っていた。それはネルソンを中心として行なわれる筈だった。太平洋軍のビーム攻撃を凌いでからまだ数では優位にあるそれを活かして攻めるつもりだった。
だがそのネルソンの艦隊にだ。キャシーは照準を定めて部下達に言った。
「じゃあやるよ」
「いよいよですね」
「これからですね」
「ああ、やるよ」
こう部下達に言ってだ。モニターに映るネルソンの旗艦ヴィクトリーを見ていた。
「今からあの戦艦を沈めるよ」
「あの艦隊にはバリアがありますが」
「それでもですね」
「あれ位のバリアならやれるさ」
これがキャシーの言葉だった。
「充分ね」
「ではこれからですか」
「あの艦隊に総攻撃をですね」
「全艦でやるよ」
こう言ってだ。そうしてだった。
キャシーはネルソンの艦隊、特にヴィクトリーに照準を合わせた。そのうえで今一斉攻撃を浴びせたのだった。
だがその光の矢達を見てもネルソン艦隊の将兵達は悠然としていた。
「ふん、どんなビームでも我等には効かないぞ」
「我が軍のバリアは破れはしない」
「鉄鋼弾が効かない今はな」
「恐るるに足らずだ」
こう言って安心しきっていた。自分達を守る盾、バリアに絶対の信頼を置いていた。
その為回避行動すら取らなかった。だがそれは。
ヴィクトリーを正面から撃った。それで戦艦は大きく揺れた。
「!?馬鹿な!」
「ヴィクトリーがダメージを受けた!」
「バリアが効かなかったのか!?」
「まさか!」
「いや、これは」
ネルソンだけは冷静だった。流石に動じはしない。
しかし前を見てだ。彼はこう言った。
「バリアを貫通した。バリアの一点を見て」
「バリアの!?」
「バリアの一点をですか」
「そうだ。どの様な盾にも脆い部分がある」
ネルソンもバリアを盾に例えて話す。
「その一点を突けば盾は壊れる」
「ではバリアもですか」
「脆い部分を突けば」
「そうだ、崩れる」
そうなるというのだ。
「それを突かれたのだ」
「だからですか」
「今ヴィクトリーも」
「それを見極める者がいるとは」
ネルソンは眉を曇らせていた。微かだが。
「思わなかった。だが」
「艦隊は戦闘不能になりました」
「このヴィクトリーも」
今の一撃で完全に行動不能になってしまっていた。攻撃することも出来ない状況に陥ってしまっている。
「どうしよ
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