邂逅編
第5話 ロディフィル海海戦
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ました』
「残りは艦艇で対処する。航空隊各機は後退し、着艦・補給を実施せよ」
「…も、ものすごい迅速かつ圧倒的な攻撃ですね…敵の姿を見る事なく一方的に叩くとは…」
日本艦隊の戦闘を見ていたブルーアイの言葉に、水上はただ静かに真正面を見据えながら口を開く。
「我が方は数において圧倒的に劣っています。 質で十分に渡り合うためには、視界外から一方的に攻撃を仕掛ける他ありませんので…」
水上がブルーアイに向けてそう答えた直後、CICから報告が上がってきた。
『「ふじ」、「あいづ」、対空戦闘開始します』
「つくば」の左右に展開する2隻の護衛艦、ミサイル護衛艦「ふじ」と「つくば」は、それぞれ同時にSM-2MR『スタンダード』ミサイルを放つ。
1980年代後半の旧ソ連海軍と中国海軍強化を受けて建造されたイージスシステム搭載ミサイル護衛艦であるふじ型ミサイル護衛艦とあいづ型ミサイル護衛艦は、こんごう型ミサイル護衛艦と異なりミサイル発射装置は即応性に優れたMk41VLSではなく、旧来のMk26連装発射機であるものの、ミサイルやジェット機よりも圧倒的に遅く、数も100騎程度から「つくば」航空隊によって40騎程にまで減らされたワイバーン相手には十分に足り得る迎撃能力を発揮した。
加えて対空戦闘能力の方に重点が置かれているふじ型は後部甲板にMk29八連装ミサイル発射機を備えており、こちらは従来のRIM-7M『シースパロー』からRIM-162『発展型シースパロー』に更新されていたため、射程距離と威力、そして弾数において不足は無かった。
台湾艦隊からも同様に艦対空ミサイルが発射され、敵艦隊からの応戦を想定していなかったワイバーンは次々とミサイルの餌食になっていく。
戦闘開始から僅か10分で、ワイバーン100騎は瞬く間に消え去り、制空権は完全に日本側のものとなる。そして連合艦隊は次に、敵艦隊に照準を定める。
『各艦、標的の振り分けが完了しました。敵艦隊との距離、15kmです』
15kmというロデニウス諸国の海軍にとって圧倒的な長距離であるにも関わらず、すでに臨戦態勢に入っているという事に、ブルーアイが改めて軍事力の隔絶した差を実感している中、水上は命令を発した。
「前衛を中心に砲撃せよ。さらに航空隊は艦隊両翼に攻撃を仕掛け、半包囲攻撃の形に整えよ。 後方までも攻撃すれば袋のネズミとなり、相手はさらに抵抗を強める可能性がある。敢えて逃げ道を設けるのだ」
『了解!』
「艦隊各艦…攻撃始め!」
水上の命令一過、各艦の12.7センチ砲と7.6センチ砲が火を噴き、猛烈な砲火がロウリア艦隊に降り注ぐ。そして近代的な射撃管制システムに裏付けられた高い命中精度は、水柱が上がる度に多くの帆船
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