邂逅編
第5話 ロディフィル海海戦
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リア海軍東方征伐艦隊提督のシャークン・ジン・カルディアである! 我が軍は国王陛下からの命に従い、クワ・トイネ公国を落とし、ロデニウス大陸を統一せんとする意志の下に、戦場に赴こうとしている! その意思を邪魔せんとするならば、我が艦隊は貴国の艦隊に対しても刃を向けねばならない! ロデニウス大陸に生きる者としての未来を賭けた戦いに関わりを持たぬ者こそ下がるがよい!」
シャークンの言葉を聞き、〈SH-60K〉はこれ以上の説得は困難だと判断したのか、直ぐにその場から飛び去って行く。それを見つめるシャークンは、一抹の不安を抱えながら通信士に指示を出す。
「本国の司令部に上空支援を要請しろ! 恐らく敵はこちらの把握していない魔獣を使役して航空戦力にしている可能性もある!」
「は…はっ!」
シャークンの要請は直ちに首都ジン・ハークの王国軍司令部に届けられ、付近の飛竜騎士団基地から次々と上空支援用のワイバーンが離陸していく。そして合計100騎のワイバーンが空中に展開し、時速“350km”の巡航速度でロウリア艦隊の上空に向かう。
そしてその数十分後、艦隊に乗る兵士達は、水平線の向こうに敵の姿を捉えた。
「な、何だ、あれは!?」
将兵達の間に再び動揺が走る。まだ自分達からは20kmは離れているであろう水平線の上に、距離感を見誤る程の『巨大な灰色の艦』が16隻も鎮座していたのだ。敵の姿を目の当たりにしたシャークンは、手元に持っていた魔導通信機を通じて、各艦に指示を出した。
「全艦に告ぐ、速力上げ! 敵はたったの十数隻だ、面で迫って包囲し、物量を活かして撃破せよ!」
指揮官シャークンの命令を受けて、各艦の装備する『風神の涙』の出力が上げられ、それによって強化された風の力を得た帆走軍艦の群れは、15ノットを超える速力で日本艦隊へと近づく。直後、空から幾つもの炸裂音が響き渡り、パラパラと何かが降り注いできた。
「…なっ!?」
降り注いできたものを見て、シャークン達の顔が引きつる。それはワイバーンや竜騎士だったものであり、無数のパーツにバラバラになって降ってきたそれらは海面にぼとぼとと音を立てながら落ちていき、無数の魚類や海魔が跳ねる。それは絶え間なく続き、ようやく何騎かが雲の合間から現れたと思えば、光の槍に貫かれて爆発し、木端微塵に吹き飛んだ。
「な…もしや、ワイバーンが、全滅したのか…?」
シャークンが声を震わせながらそう呟く中、日本・台湾・韓国連合艦隊旗艦「つくば」の艦橋では、艦隊司令の水上昭一海将補が、クワ・トイネ公国海軍観戦武官のブルーアイ・クワ・フィッシャー二等佐官とともに、戦闘指揮所からの報告を受け取っていた。
『航空隊、敵ワイバーンの半数を撃墜し
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