第六十一話 食べてもらってその三
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「そうしてね」
「はい、気をつけます」
こう言ってもでした。
阿波野君が食べるのは速いです、それでまた私は言いました。
「やっぱり速いわね」
「そうですか」
「別に誰も取らないから」
それでと阿波野君に言いました。
「落ち着いて食べてもいいのよ」
「いえ、別に急いでませんし」
「取られると思うこともなのね」
「思っていないですよ」
「その割に速いわね」
「これも癖性分でしょうか」
「そうなるの?食べることも」
そう言われると私もわかりませんでした、癖性分と言ってもそれでもそれがどうかというとでした。
私はわからなくてお母さんはこう言いました。
「それもそうかも知れないわね」
「そうですか」
「けれど千里が言う通りにね」
「僕食べるの速いですか」
「あまり速過ぎたら」
食べることがというのです。
「あまりよくないから」
「消化に悪いんですよね」
「そう、だからね」
「気を付けて、ですね」
「しっかり噛んで食べてね」
「努力していきます」
「是非ね、それと千里はね」
今度は私に言ってきました。
「牛乳にこだわらないの」
「そのこと?」
「今も毎日飲んでるわよね」
「ええ、美味しいし何よりも」
私が牛乳を飲む一番の理由は何といってもです。
「背がね」
「大きくなるからっていうのね」
「だから飲んでるけれど」
「飲むことはいいけれどもう諦めなさい」
こう私に言うのでした。
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