TURN47 東洋艦隊全滅その三
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「あの先頭の艦隊ですが」
「ああ、気付いたたいな」
「祖国さんはおわかりですね」
「勿論たい」
インドはこうサフランに返した。
「あの艦隊は普通の艦隊ではないたい」
「魔術による艦隊ですね」
「アラビアのことたいが聞いたことがあるたい」
インドはここで己の記憶を辿って述べた。
「代々魔術を使う家があって」
「その家の人間がいますね」
「ああして魔術であらゆることが出来るたいが」
「その魔術師の力を借りましたか」
「そうたいな。エイリスも後がないたい」
アラビアがエイリス東方の最後の植民地だ。ここを失えばエイリスにとってただアラビアという植民地を失うだけでは済まないのだ。
誇りがかかっている。そしてその誇り故にだったのだ。
「戦いそして」
「勝つしかないからこそ」
「魔術師の力も借りてるたいな」
「ではその魔術師の艦隊は」
「バリアがあるたいな」
インドはその魔術の艦隊の特徴を見抜いていた。
「だからビームの効果は期待できないたい」
「そしてあの艦隊の兵器ですが」
「ビームしかないたい」
インドはこのことも見抜いた。
「とはいっても艦載機と鉄鋼弾は」
「この砂嵐です」
インドカレーの時なぞ比較にならぬまでの砂嵐が両軍の間を吹き荒れていた。視界は何とか維持できているがそれでもだった。
「これだけ激しいとなると」
「艦載機や鉄鋼弾の効果は期待できないたい」
「ではここは」
「ならやり方がある」
二人のやり取りに東郷が入って来た。そのうえでだった。
「それはそれでな」
「ではここは一体」
「どうするたい?」
「あの魔術の艦隊にはビームを主力とした艦隊は向けない」
攻撃しても無駄だからだ。
「だから他の艦隊に向けよう」
「そうされますか」
「そうする。そしてだ」
東郷はその作戦を話していく。
「バリアを置いている艦隊だな」
「またあたしの出番だね」
海亀が艦隊にいる南雲が出て来た。
「任せてくれていいんだね」
「ああ。それにだ」
「それに?」
「あの艦隊はどれも耐久力自体は大したことがないな」
その魔術の艦隊を見ての話だ。
「デーニッツ提督の潜水艦艦隊なら容易に壊滅させられる」
「じゃああたしはミサイルで攻撃していって」
「エルミー提督はいつも通り潜行して魚雷攻撃だ」
まさにいつも通りだった。
「そうしていこう」
「わかりました。ですが」
そのエルミーも出て来て言ってきた。
「私はこれまでは」
「ネルソン提督の旗艦ヴィクトリーか」
「あの艦隊を攻撃してきましたが」
「今回は別の秘策がある」
東郷は笑ってエルミーの懸念に返した。
「それがあるからな」
「だからですか」
「今回も任せてくれ」
東郷はいつもの余裕
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