第九幕その七
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「いつもお供をしているんじゃ」
「悟空達は先に行かせました」
玄奘さんは神宝に微笑んで答えました。
「そうしました」
「先にですか」
「三人共中華街に行くと聞くと大喜びだったので」
「中華街お好きなんですね」
「彼等は。それで、です」
玄奘さんはさらにお話します。
「私は玉龍と一緒なのです」
「まあ私はです」
どろんとです、白馬は姿を変えました。
何と白い昔の中国の服を着たアジア系の若い男の人になりました、その姿でオズマ達に対して言うのでした。
「別に急がないですから」
「あっ、貴方がですね」
「そう、玉龍です」
こうオジョに名乗ります。
「ご存知ですよね」
「西海龍王さんの三男の」
「そうなんです、悪さをしまして」
「それで三蔵法師の馬になっていますね」
「そうなんですよ」
「それで今もですか」
「お師匠様と一緒です」
オジョに明るい調子でお話します。
「孫悟空さん達は先に行きましたけれど」
「玉龍さんはですね」
「今もお供をしています」
「そうですか」
「孫悟空さん達はもう中華街で遊んでますけれどね」
「玉龍さんは焦らないで」
「ここにいます」
玄奘さんと一緒にいるというのです。
「そうしています」
「そういうことですね」
「はい、それとです」
「それと?」
「皆さんはどうしてここにおられるんですか?」
今度は玉龍から尋ねてきました。
「オズマ姫まで」
「それに関羽殿まで」
玄奘さんは関羽さんを見て言います。
「何故こちらに」
「はい、僕達もカドリングの中華街に案内されていまして」
オジョは玄奘さん達に答えました。
「それでなんです」
「それがしも同行することになりまして」
関羽さんは玄奘さんに答えました。
「それでなのです」
「そういう事情ですか」
「はい」
関羽さんは玄奘さんにまた答えました。
「左様です」
「よくわかりました」
「それでは」
「そしてですね」
玄奘さんは今度は神宝達五人を見て言いました。
「そちらの子供達が」
「ええ、オズの名誉市民のね」
「その子達ですね」
「そうなのよ」
オズマがにこりとして答えます。
「この子達がね」
「はじめまして」
にこりと笑ってです、玄奘さんは五人に答えました。
「三蔵法師、玄奘といいます」
「はじめまして」
五人も礼儀正しく挨拶を返します、そのうえで言うのでした。
「まさかです」
「こんなところでお会い出来るなんて」
「信じられないです」
「嘘みたいです」
「お会いしたいと思っていましたけれど」
「ここでお会い出来るなんて」
「これも縁ですね」
玄奘さんは五人ににこりと笑ってこうも言いました。
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