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ドリトル先生と牛女
第九幕その十

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「理知的で冷静で科学的に考える先生にはね」
「科学を出しても非科学的だしね」
「出て来る人が皆先生と真逆ですよね」
 トミーも言ってきます、勿論トミーも黄色い西瓜を食べています。
「本当に」
「トミーはそのことが気になるんだ」
「はい、もうすぐに怒って騒ぐ」
「確かにそんな登場人物ばかりだよ」
「無教養で野蛮で」
 登場人物全員がです。
「主人公側も相手側も」
「ゲストキャラもね」
「本当に皆そうですから」
「皆僕と真逆だっていうんだね」
「先生お店の料理で化学調味料使って暴れます?」
 お店の中で、です。
「絶対にしないですよね」
「それはおかしいからね」
「おかしな行いですね」
「うん」 
 そう言うしかないというのです。
「本当にね」
「化学調味料は法律に触れてないですね」
「だからお店でも使ってるよ」
「そうですよね」
「それにね」
 先生はさらに言います。
「幾ら口に合わなくてもね」
「お店の人や他のお客さんの迷惑ですし」
「そんなこと誰がしても許されないよ」
「絶対に」
「そう、絶対にね」
 まさにというのです。
「許されないよ」
「そうですよね」
「けれどその許されないことがね」
「普通に行われている漫画ですから」
「鵜呑みにしては駄目だよ」
「その全部を」
「全部どうかって思いながら読まないと」 
 それこそというのです。
「あの漫画は駄目だよ」
「物凄い漫画ですね」
「ああした新聞記者は絶対に暴れる様子を動画でインターネットで拡散しないと」
「よくないですね」
「日本のマスコミは自分達の悪事は隠蔽するからね」
 先生はこのことも指摘しました。
「だからね」
「若し現場を見たらですね」
「すぐに動画に撮ってね」
 スマートフォンでそうしてというのです。
「そしてね」
「世に知らしめて」
「新聞社全体の責任もね」 
 その記者が所属しているなら新聞社にも責任があるからです。
「追及しないとね」
「駄目ですね」
「うん、しかもあの漫画の記者みたいな記者がね」
「現実にいますね」
「それが日本だから」 
 現実にいるからというのです。
「ああしたことはどんどんしないとね」
「駄目ですね」
「しかもそれで主人公だから」
「余計に駄目ですね」
「何でも原作者の人もああらしいよ」
「お店のお料理が口に合わないと、ですか」
「暴れるらしいから」
 そうするからというのです。
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