第97話『予選B』
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ですが、それらには強さによって1から10の点数を振り分けています。弱い魔獣は点数が低く、強い魔獣は点数が高いと思っておいて下さい』
「ふむふむ」
なるほど、そういうルールか。
つまり、ちまちま弱い魔獣を倒すよりも、少しでも強い魔獣を倒していく方が有利だということになる。問題はどれくらい強いのか、だが。
『競技中、持ち点と順位は皆さんのお手元の腕輪で確認できます。しかし、魔獣の点数は倒すまでわからない仕様となっています。倒すのに時間がかかったのに1点、だなんて不運なことにならないよう注意しましょうね』
注意しましょう、と言われても、具体的にどう注意すればいいのだろうか。そもそも強さの基準がわからない訳だし。
でもとりあえず、逃げ足の速い魔獣は無視した方が良いということだけはわかった。
『最後に、魔獣はタダでは倒されてくれません。当然皆さんに反撃します。その際、過度にダメージを受けて戦闘不能となった場合、ゲームオーバーということで失格になります。その場合は腕輪が通知しますので、素直に従って下さい』
ゲームオーバーまであるなんて、思ったよりリスキーな競技だ。きちんと身の丈に合った敵に挑まないと、失格して何もかもがおじゃんになってしまう。それだけは避けたい事態だ。
『それでは5分後に競技を開始します。各自、この森の好きな場所からスタートして下さい』
ジョーカーはそう言うと、「5:00」と表示されたタイマーと思われる画面を空中に出現させた。どうやら、作戦を考える時間もあまり与えてくれなそうだ。
「どうしようかな……」
緋翼は、続々と森に入っていく他チームの選手たちについて行きながら、そう悩むのだった。
*
スタートしてから5分も経たずして、競走は変化の兆しを見せた。
「……なんか森に入ってきたな」
集団の後ろをついて行きながら、晴登がその変化に気づいたのはつい先程。広かった道幅もかなり狭くなり、頭上も木の葉が覆い始めてきたのだ。道こそあるが、間違いなく森に突っ込んでいる。
「そろそろ最初のギミックか……?」
レースなのにわざわざこんなルートを進むということは、そういうことではないのだろうか。
ならばこれはチャンス。このギミックを難なくクリアすることで、ひとまずこの集団よりも前に出るのだ。
「俺の得意そうな分野でありますように……」
晴登は密かに神頼みしながら、山道を駆けていく。
すると次第に道に凸凹が増えてきて、不安定になってきた。これは気を抜くと転びそうだ。天井も低くなってきており、飛んでいる人は堅苦しそうにしている。
おかげで集団のスピードがかなり落ち、危うく渋滞と
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