第2章 異世界衝突編
第1話 ゲームチェンジャー
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大首領様に刃向かいました」と書かれたプラカードと共に木に首を吊るされている死体と化した。
ああ、やはりこの粛清任務はいい。余計なストレスを不穏分子にぶつけることができるし、何より殺せば殺すだけ周囲の人間も「流石、英雄の子孫だ」と勝手に満足する。正にWin-Winというやつだ。
「ぎゃああああ!!!」
「ギェッ!!」
「やめてぇぇぇぇ!!!」
不穏分子達の悲鳴が響く。悲鳴を聞く限りでは女性や子供も混じっているようだ。
部下達は捕虜をじっくり苦しめることで反乱を企てたことを、不穏分子の元に生を受けたことを後悔させていた。
だが虫ケラといえど遊び半分で殺すのはいただけない。そこは注意しなくては。
小笠原はゆっくりと先程、報告に来た伍長の方へ近づく。
「伍長、貴様らはやりすぎるところがある……その癖、直したほうがいいぞ」
「!……しかし隊長、隊長は一般市民を虐殺するようなテロリストのことが憎くないのですか?テロリストに慈悲はいりませんよ。寧ろやり過ぎる位がちょうどいいのでは?」
「その通りだ……だがそれも時と場合による。今回のようにスピーディーな作業効率が求められる時は遊んでないでさっさと殺すべきだ」
「なるほど!勉強になります!!」
その時だった。
小笠原は後方に待機させてある軍用トラックの荷台の中から苦しそうな呻き声を聞いた。中には女性がおり、頭を押さえて苦悶の表情を浮かべていた。戦場に似つかわしくない若い女性だった。
その声を聞いた途端、彼は表情を変えた。
「また"発作"だ!あとはお前に任せるぞ」
そう言うと小笠原はさっさと軍用トラックの方へと戻っていった。
それを遠くから見た部下達は迫る死の恐怖に怯える生き残った村人を壁際に並べながら口々に話し始めた。
「なぁ、最近、隊長の側にいるあの女、何者だ?明らかに民間人だろ?」
「さあな、一時は愛人とか言われてたがどうも違うらしい」
「愛人にしても普通はこんなところに連れてこないだろ」
すると別の男が拳銃のマガジンに次弾を装填しながら話に割って入る。
「お前ら、知らないのか?あの女は隊長が銀座動乱の時に救出して連れてきたんだってことを」
「は?どういうことだ?詳しく教えろ」
「だから、あの女が帝国軍にとっ捕まってたところを隊長が見つけて助けたの!ショックからか記憶も無くしてるらしくてな。身内を探そうにも手立てがないから隊長が面倒見てるらしい」
処刑しなければならない捕虜を差し置いて話し込む彼らを見た伍長は厳しく注意する。
「おい、そこ!!駄弁ってないで仕事をしろ!!」
「「「す
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