第2章 異世界衝突編
第1話 ゲームチェンジャー
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、指揮官らしき青年が目の前に現れた。
「テロリスト風情が……粋がりやがって…ここがお前の墓場だ」
目の前の青年は呟くように「変身ッ……」と叫ぶ。
すると白い霧が青年を覆う。そしてその霧の中で一瞬、閃光が起こると次第に白い霧が晴れていく。
「グルルル……」
唸り声が空気を振動させ、その場にいる者をこれでもかと威嚇する。
目の前には漆黒の毛並みを持った人狼がいた。さらに上級怪人を表す金色のベルトをしており、夜の闇の中、カラカリアンをまるで親の敵でも見るように鮮血のように紅く光る眼でこちらをジッと睨んでいた。
「お前が粛清部隊の指揮官だな!この村は俺が守る!!」
カラカリアンは黒い狼男に迫ると、固い地面を蹴って飛び上がった。
狙うは目だ。目を潰して胸を裂こう。そうすればどんな敵も死に絶えるはずだ。
そう考えながら狼男を見下ろすと急降下し、爪の生えた腕を伸ばした。
だが相手はその上をいっていた。
ガシッ!!
「何ッ!?」
カラカリアンは驚愕の声を漏らした。
なんと黒い狼男はカラカリアンの腕を掴んだのだ。猛スピードで急降下する自分の腕を。
ありえない。俺の渾身の業だぞ!!それを片手で受け止めるなんて!!
彼は何が起きたのかはっきりと理解できないまま回し蹴りを食らう。
カラカリアンは鈍い痛みと共に付近の民家の壁に叩きつけられた。壁が衝撃に耐えられず、ガラガラと崩壊する。
「う、うう………」
カラカリアンはフラフラとした足取りの中、何とか立ち上がった。
それを見た狼男は心底煩わしそうな顔をして呟く。
「……全く、とっととクタバレばいいものを…鬱陶しい!!」
狼男がまだふらついた様子のカラカリアンに向かって両腕を広げて駆ける。
鋭い爪を伴った拳がカラカリアンの鼻先を掠った。
その瞬間、暴風のような衝撃波が起きる。それに驚いてバランスを崩した途端、天地がひっくり返った。
黒い狼男はその隙を逃さず、カラカリアンの尾を掴むとハンマー投げの要領で投げ飛ばす。
カラカリアンは宙を舞ったが背中から落下する直前、ネコ科動物特有の鋭い反射神経で一気に後方へ下がると体勢を立て直す。
「フンッ!小癪な。遊びもここまでだ…」
黒い狼男は両腕を引絞るとうずくまるようにして震えた。そして急に立ち上がると空を仰いだ。
「アォォォォォォォォォンンン!!!」
狼の怪人が遠吠えをすると先程まで雲一つなく、美しい星々が見えていた空が次第に暗雲に覆われ始めた。
「何だ?空が……急に曇って……?」
カラカリアンは突然のことに
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