第2章 異世界衝突編
第1話 ゲームチェンジャー
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『我々は防衛軍の対テロ部隊です。武器を捨てて投降しなさい。我々は無益な争いを好みません。繰り返します、我々は―』
ショッカーの犬共はスピーカーを通じて大音量で降伏勧告を行っている。
「ふざけるな!!武器を突きつけ、先に攻撃しておきながら何が『無益な争いは好まない』だ!」
男は兵舎を飛び出し、外に出ると大声で叫んだ。
「女子供は逃げるんだ!生き残った男達は戦うんだ!ここで奴らを食い止めるぞ!!」
見る限り、摘発部隊に戦闘員がいないのが幸いだった。戦闘員はあんな珍妙な見た目ながら人間の10倍以上の怪力を持つ。通常弾で倒せないこともないが、耐久力が常人の比ではない。
おまけにどんどん湧いて出て来るので倒すためにはこちらはガイアメモリや改造人間で立ち向かうしかない。しかし今、この村にいる改造人間は自分一人だけだし、同盟が自主開発したガイアメモリも数本だけしか用意されていなかった。そんな状況で敵方に戦闘員がいないのは男にとって九死に一生を得たような感覚であった。
しかし軍服を着た指揮官らしき青年の肩についている部隊章を見てその安堵も消え失せてしまった。
反逆者に飛びかかる狼
ショッカーの対ゲリラ特殊部隊の部隊章だ。
"元"ショッカー怪人の男はこの部隊のことをよく知っていた。対ゲリラとは名ばかりで実際は不穏分子・反乱分子の粛清が主だということも、隊員全員が高い戦闘能力を持っているということも………ショッカーの中で人一倍、不穏分子…つまり自分達を憎み、怨んでいるということも。
洗脳が未だに解けず、それ故に悪に身を落としたままの彼らに同情の余地はあるが仲間を守る為には戦わなければならない。
男は意を決して、深く目を瞑ると腕を大きく振るって叫んだ。
「変身ッ!!」
一瞬にして男の身体は茶色に変色し、頭頂部には黒い房毛の着いた耳、臀部には長い尾が生える。顔つきや手足もネコ科動物のそれに変化する。
男はアフリカ・中東原産のネコ科動物……カラカルの怪人だったのだ。ショッカー在籍時には『カラカリアン』と呼ばれており、今でもその名を名乗っている。
カラカリアンの姿を見た兵士達は小銃を発砲しながら彼の方へ駆けてくる。
「裏切り者がいるぞ!!」
「殺せッ!!息の根を止めるんだッ!!」
兵士達はカラカリアンに接近するとスリーマンセルで取り囲む。しかし、カラカリアンは迫りくる兵士達を文字通り、千切っては投げ、千切っては投げた。
カラカリアンも伊達に改造人間を名乗ってはいない。仮面ライダー程ではないが戦闘能力なら並のショッカー怪人以上なのだ。
そんな中
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