第2章 異世界衝突編
第1話 ゲームチェンジャー
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えない様子だ。しかし、このまま放置していてはショッカー内部で分断が起こってしまう。最悪、この世界で血で血を洗う内戦が勃発する可能性もある。そうなれば対日外交や帝国戦どころではない。
なんとしても内部協力者の実態を洗い出して強硬派の勢いを削がなくてはならなかった。
「拉致事件の指示を出していたとされるアンチショッカー同盟東南アジア支部メンバーの粛清並びに証拠押収は例の部隊に任せています。間もなく作戦が決行される頃でしょう」
「例の部隊、例の部隊か…一応、あれでも強硬派じゃないのが救いだが……やり過ぎないかが心配だな……」
そう言うと地獄大使は再び執務に戻った。
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同エリア 某所にあるジャングル
かつてガモン共和国と呼ばれていたそのエリアの奥地には未だに熱帯性植物で構成された森……いわゆるジャングルが残っていた。
そしてその鬱蒼とした植物達に隠されるようにして存在している集落こそアンチショッカー同盟 東南アジア支部のアジトだった。アジトといっても東南アジア中に数ある基地の内の1つである。
それにこのアジトには女子供などの非戦闘要員もおり、皆で生活を共にしているため、文字通りの意味の『村』と言っても差し支えない。
そのため、稀に旅人がこの村を発見することがあってもただの村だと勘違いして過ぎ去っていくのである。
このようにアンチショッカー同盟は民間人を装い、普段は一般市民として生活しながらショッカーに対してゲリラ戦やサイバー攻撃を仕掛けていた。この戦法を取られては民間人と不穏分子を見分けることが非常に難しいためショッカーは手を焼いていた。
夜明け前、民家に偽装した兵舎の隅で1人の男がテレビを見ていた。
テレビに映っているのはショッカーの公営放送の報道番組。番組では先の来賓拉致事件の模様……そして"とある精鋭の改造人間"が単身で乗り込み、彼女らを救出したことを報道していた。
「クソがッ!!日本支部の奴らめ、失敗しやがって……どれだけ重要な作戦だったか分かってたのか!?」
男は怒りで机を思いきり叩いた。
さらに男の怒りの矛先は敗北という醜態を晒した日本支部に留まらず、ショッカーにまで向いた。
「くそッ!くそッ!ショッカーめ!!異世界征服の為にこんな幼い女の子達まで利用しやがって!!」
異世界の少女達の確保には失敗し、日本支部の実働部隊には損害が出た。はっきり言って大損だ。
それに今回の作戦は日本支部と東南アジア支部の一部のメンバーによる独断行動である。間もなく自分は各支部長から責任を追求され、弾劾されることになるだろう。これが作戦が成功していたなら幾分か、処分は軽いだろ
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