第2章 異世界衝突編
第1話 ゲームチェンジャー
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東南アジアエリア バンコク 大ショッカー党東南アジア支部
「失礼します!」
執務室にスーツ姿の役人が入室すると目の前の机に座る大幹部……地獄大使に敬礼する。
「イーッ!異世界への移民第1陣のリストが完成しました。あとは現地の開拓さえ完了すればすぐにでも実行できます」
「そうか、よくやった。思ったより早かったな」
地獄大使は役人に労いの言葉をかけた。
異世界のミラーワールドへの植民。
元々、侵攻直後から計画されていたことではあるが日増しに暴走し続ける。対日強硬派を押さえつけるために急ピッチで進められた事業である。
土地が広大過ぎるために調査中、測量中の地域が多く、まずはミラーワールド内のアルヌス、オ・ンドゥルゴ、イタリカのみの植民である。
当然、軍の一部からはミラーワールドを通って帝都や帝国主要都市に奇襲攻撃を仕掛ける案も出たが亜神…とりわけ、ロウリィにミラーワールドの存在を知られると植民事業の邪魔をされる可能性があると判断されたため、すぐに却下された。
送り込む移民については人口の多い州、自治区を優先的に枠を増やし、募集制にしたところ、非常に多くの希望者が殺到した。
移民を募る広告を見た人々が我先に挙って役所に押し寄せ、ネット上では募集を担当するコンピュータのサーバーが処理しきれず一時、ダウンするほどだった。
一部の貧困層を除き、未知の世界に対する好奇心を刺激された者ばかりである。
さすがにこれには政府も驚いた。勿論、反ショッカー的・思想的問題有りとされた人民を不合格にしても数百万人を有に越していた。第1陣だけでこれである。第2陣、第3陣と続ければ何千万、いや何億人もの人的資源を異世界に送り出すこができる。
政府としては嬉しい悲鳴が聞こえていた。
しかし植民に関するテストケースとしての側面が強い第1陣に関しては応募者全員を連れて行くというわけにもいかず、急遽、応募者の中から抽選という形をとって数百万人からやっと数十万人にまで人数を減らすことができたのだ。
結果、アルヌス、オ・ンドゥルゴ、イタリカという極めて局地的な地域にも関わらず第1陣だけでも数十万人もの移民団が組織されつつあった。
地獄大使はふと、あることが気になった。移民と同じくらい……いや、それ以上に重要な事業がもう1つ残っていた。
「訪日団の用意はできたのか?あと数日後だぞ?」
「はい、用意はできましたが……その……よろしかったのですか?あの御方を訪日団の長にして……もし、あの御方が強硬派だったら…」
「安心しろ。"奴"は穏健派だ。それにゾルや死神、儂、暗闇の半端者よりはよっぽど適任だと思うがな」
ゾル大佐は基地司令を任されてい
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