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レーヴァティン
第百七十八話 アルプスとドナウ川その十
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「使わない、そして必要に応じて消す」
「そうするからな」
「そういうことだね」
「そんな屑そうそういないけれどな」
「豪が言った様なおっさんにしても」
「芳直が言った様な奴もな」
 それこそとだ、久志は述べた。
「どうしようもない屑はな」
「どちらにしてもだね」
「滅多にいないけれどな、現実として」
「まあそうそういたらね」
 淳二は今度はステーキを食べつつ話した。
「世の中動かないよ」
「そうだな」
「だから滅多にいないよ、屑は」
「現実としてな」
「けれどいたらだね」
「消す、絶対にな」
「それが帝国の為だね」
 こう久志に述べた。
「そうだね」
「ああ、そして世の為人の為だよ」
「屑の垂れ流す害毒に迷惑を被らない」
「周りがそうなる為でもあるしな」
「そういうことだね」
「それはつくづく思うな、この世界で」
 久志はワインを飲みつつ苦い声で述べた。
「本当にな」
「国を動かしてだね」
「そうなってな、いらないのはな」
「屑だね」
「無能じゃなくてな、まあ何処でも何の芸のない屑もな」
「さっき剛が言ったみたいな」
「そんな奴もいるけれどな」
 こうも言った。
「何の取り柄があるかわからない様なな」
「偶然とね」
 留奈が言ってきた。
「それか努力してる中でね」
「人の取り柄ってわかるよな」
「そうだけれどね」
「屑は確かに使わないけれどな」
「何か取り柄を見せる」
「さもないとな」
 それこそというのだ。
「余計にな」
「駄目だって思うってことね」
「ああ、どうしようもない屑だとな」
 それこそというのだ。
「せめて取り柄を見せていたらな」
「愛嬌もあるわね」
「けれどそれも、ってなるとな」
「評価は余計に落ちるわね」
「そうなるな、まあ人として駄目過ぎたらな」
 それならというのだ。
「幾ら有能でもな」
「用いないのね」
「賄賂を取ったり女好きでもな」
「多少よね」
「用いるけれどな」
 そうするがというのだ。
「けれどな」
「剛が話したみたいな人だと」
「賄賂とか女とかな」
「そうしたのより酷いね」
「何をどうしても使えないんだよ、本当にまだな」
「多少賄賂を取ったり女好きの方がっていうのね」
「ましだよ、煮ても焼いても最底辺にいる様な奴は」
 久志は苦い顔で述べた。
「何かの分野で才能があってもそれを役立てられないしな」
「使わないで」
「最悪排除だよ」
「そうするんだね」
「ああ、趙高みたいなやつはな」
 始皇帝に仕えた宦官である、法に明るく頭の回転は抜群であった、だが狡猾で残忍な謀略家で多くの者を己の権勢の為に殺し挙句は国を滅ぼした。
「問題外だろ」
「ああいう奴は確かに能力の問題じゃないわね」
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