TURN46 王女アルビルダその五
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「だよな」
「はい、そうです」
「大丈夫なのかよ」
イギリスは今心の奥底から不安を感じていた。それが言葉になってそのままクリオネに対して述べていた。
「ガセとかじゃないのか?」
「多分大丈夫です」
「多分かよ」
見ればクリオネもあまり自信がありそうではない。
「本当に誰かいるんだろうな」
「ネットでの情報によれば」
「凄く不安だな」
「けれどほら」
「ほら?」
「あそこに宮殿があります」
アラビア風の丸いアーチのある宮殿がそこにあった。
「おそらくあの宮殿にです」
「その魔術師がいるんだな」
「はい、ネットの情報は正しかったんですよ」
「ガセの可能性も高かったがな」
「実際に存在していて何よりです」
ネルソンもほっとしていた。魔術師が本当にあるとわかって。そのうえで二人に対してこう言ったのだった。
「ではあの宮殿にです」
「ああ、今からな」
「入りましょう」
イギリスとクリオネもネルソンの言葉に応える。そうしてだった。
宮殿に入るとそこはやはりアラビアの文化があった。複雑なアラベスク模様の絨毯に白い壁がある。模様があちこちに飾られている。
その宮殿の中に入るとすぐに一人の少女が三人の前に現れた。
黒い波うつ髪にオパールの輝きの目を持つ小柄な少女だ。表情は利発そうでしっかりとしたものを感じる。
服は紫のヴェールを帽子の様にかけたアラビア風のものでありやや褐色の腹が見える。スカートはその紫に赤、白、黒という配色で金色の鎖の装飾がある。ヴェールの中の髪は肩の長さで切り揃えられている。
その彼女が来てこうイギリス達に尋ねてきたのだ。
「どなたでしょうか」
「ああ、俺はイギリスだよ」
まずはイギリスが名乗った。
「エイリスの中の一国だよ」
「ああ、貴方がイギリスさんですか」
少女はイギリスの名乗りを受けて納得した様に応えた。
「お話は常々伺っています」
「いい意味でか?悪い意味でか?」
「お料理の方は悪い意味で」
「ここでも俺の料理は評判悪いのかよ」
「最悪と聞いていますが」
「ったくよ。何でそんなに有名なんだよ」
イギリスはうんざりとした顔で述べる。
「ったくよ」
「それでそちらの方々は」
「ヴィクトリー=ネルソンです」
「クリオネ=アルメインよ」
二人はそれぞれ少女に答える。
「どうぞお見知り置きを」
「宜しくね」
「エイリスの中でも名士の方々ですね」
少女は二人の名乗りを受けて述べた。
「その方々が来られた理由は」
「ここに魔法使いがいるって聞いたんだけれどな」
イギリスが言う。
「あんたかい?その魔法使いっていうのは」
「いえ、私は魔法は使えません」
それはできないとだ。少女はすぐにイギリスに答えた。
「そうし
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