邂逅編
第3話 迫る戦火
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なるため、訓練期間を差し引いても10年という短期間で200騎のリントヴルムを用意する事が出来たのは奇跡的にすら思えた。
いずれにせよ、先遣隊にワイバーンとリントヴルム各200騎が与えられているという、この明らかに過剰な戦力に、アデムは満足していた。
「将軍、ギムでの戦利品はいかがしましょうか?」
副官の問いに対し、アデムは笑みを浮かべながら答える。
「ギムでは、略奪を咎めない。 女は嬲ってもいいが、使い終わったらすべて処分するように。 一人も生きて町を出すな。全軍に知らせよ」
「はっ…はっ!」
基本的にアデム配下の部隊は同じ王国軍からも『ろくでなし』扱いされているとはいえ、人としての最低限の理性と人情はある。アデムの部下は、自分達から見ても残虐に思える命令に震えつつ、すぐさま天幕を出ようとする。
すると、アデムが不意に彼を呼び止めてきた。
「いや、待て…やはり嬲ってもいいが、100人ばかり、生かして解き放て。 周囲の村々に恐怖を伝染させるのだ。それと…敵騎士団の家族がギムにいた場合は、なるべく残虐に処分すること。 我らに逆らう気力を奪ってしまうのだ」
恐怖に満ちた、されど実に合理的な命令。アデムの心は人間ではない。そう思いながら、部下は、天幕を飛び出し、命令を忠実に伝えに行った。
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