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ドリトル先生と牛女
第八幕その八

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「イギリスのより美味しいね」
「お料理の仕方がね」
「どうしてもね」
「そうなってるね」
「オマール海老も」 
 こちらもというのです。
「それもね」
「日本でのお料理の方がね」
「どうしてもね」
「美味しいよね」
「イギリスのものより」
 皆しみじみとした口調です、そしてです。
 ここで、です。先生はこうも言いました。今度は枝豆を食べていますがそれでもお魚のことを思うのでした。
「シーフードは遥かにいいね」
「もっと言えば他のお料理もね」
「常に思うね」
「というか日本じゃイカも蛸も普通に食べるのに」
「イギリスじゃ食べものと思われてないし」
「怪物扱いだし」
「外見が不気味とかね、これがね」
 その蛸やイカの外見もというのです。
「日本人は見たらすぐに美味しそうだし」
「そうそう、怖いって思わず」
「もう即座にそう思って」
「映画とかで巨大な蛸やイカが出ても全く怖がらなくて」
「たこ焼きとかイカ焼きのお話するから」
「日本人は鮫は怖がってもね」 
 それでもというのです。
「欧州人程じゃないしね」
「ちゃんと鮫の捕まえ方知ってるし」
「弱点も」
「それで鮫も食べるしね」
「そうしてるしね」
「そして鮫も結構美味しいし」
 このお魚もというのです。
「エイだってね」
「エイも美味しいね」
「あの平たいお魚も」
「あれで結構ね」
「怖そうでね」
「そして蛸やイカなんて」
 それこそというのです。
「完全に食べものでね」
「怖いって思う日本人いないね」
「この神戸でも」
「食べものとしか思わなくて」
「不気味とも思わないね」
「それが日本人だね、あの人達に聞いても」
 その日本の人達にです。
「怖いと思ってないからね、食べものとしかね」
「図鑑読んでもですしね」
 トミーも言ってきました。
「どうして食べたら美味しいかって書いてますし」
「ミズダコでもね」
「ミズダコって大型で人も襲いますね」
「それが日本人の殆どは知らなくて」
 ミズダコのこのことをです。
「完全に食べものとしか思っていないよ」
「蛸壺を置いて捕まえて」
「それで食べるとしかね」
「それが日本人ですね」
「実際にミズダコも怖いと思わないからね」
「そうですね」
「最初のそのお話を聞いて驚いたけれど」
 先生にしてもです。
「今はね」
「来日されて日本に住まれて」
「もうね」
 それこそというのです。
「僕もその考えになったよ」
「イカや蛸は美味しい」
「怖いとか不気味とかね」
 そうした認識はというのです。
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