第二十七話
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を確かめる顔で、ただ一言、聞いてきた。
「ほんとだよ、だから…… なんていうんだろう」
照れくさくなってきたため、頭をかきながら絞りだすようにしてこう答えた。
「ありがとう」
頭を働かせた割には、もうちょっとあったんじゃないだろうかと、そんなことを思う。
「マイこそありがとうだよ」
後ろに戻り、俺の両手を掴んで言った。
彼女の顔がしっかりと見える位置にある。
その顔は、恥ずかしながらもしっかりとこちらを見る。
「じゃあ、行こうか」
「うん!」
◇ ◆ ◇
学習館に付くと、剣先生がいる職員室へと二人は向かう。
「先生、きましたよ」
ドアを開き、剣先生の座っている席を見る。
「おうタスク、マイさんは連れてきたか?」
ちょうど椅子に腰かけ、コーヒーを飲んでいるようだった。
「はい」
「失礼します」
二人は剣先生の前にある、用意されていた椅子へと座る。
「コーヒーを入れてこようか? お二人方は砂糖は入れる派か?」
「いいですよ先生、僕が入れますよ」
「客人にいれるのは礼儀だぞ、だから座っておけ」
はい、と答え彼女の言葉にあまえた。
先生の背中が、事務室にあるガスコンロ部屋のドアで消えた。
「わたしさ、剣先生のこと、最初は怖い人だなあって思ってたけど、面倒見がいい、良い人なんだとわかった」
その消えた背中のドアを見て、彼女は言った。
たしかに、俺みたいな人間をここまで育ててくれたんだから、身を持ってわかる。
「わかる、本当にあの人には頭があがらないからね」
「修行させてもらってたんだっけ?」
「そうそう、師匠みたいなものだね」
「なんだか、映画の主人公みたいだよねタスクって」
「そ、そう?」
「うん、かっこいいよ」
「えへへ」
いつの間にか、剣先生がドアを開けて、こちらに来ていた。
「ほら、熱いから気を付けるんだぞ」
熱が伝わらない、遮熱コップに入れてきた。
3人はそれぞれ、一口飲むと、剣先生から話し始めた。
「まずは、マイさんのことから話すぞ」
はいと、一言かえした。
「マイさんのお父さんから、昨日電話が入ってな。9月の学校には間に合うように帰ってこいとのことだ」
「はいわかりました」
マイは承諾すると、コーヒーを飲む。
「次にタスクだな、お前には新しいランクが設立された」
「新しいランク?」
「ああ、お前はここの生徒と比べると例外項目が多いからな、それと、ランク祭を優勝したためだ」
確かに俺は、普通の能力者とは違う。
「Aランクとか
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