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最弱能力者の英雄譚 〜二丁拳銃使いのFランカー〜
第二十七話
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らしている。
 おっと手がすべった、彼女に生えている2つの球体を掴んでいた。

「あのマイさん…… 起きてくれません?」

 ボヨンボヨンボヨン。これは手が滑ってしまったのでしょうがないわけで。
 このシュウマイは服の上からでもわかる。良い張りとツヤ。

「あっ、やめ……」

 小さい口から、ボヨンボヨンボヨン。

「……マイさん起きてください」

 頭の中で胆略化されている固定文を投げるように、彼女に言っている。
 しかし、手の運動は休むことがない。

「起きて起きて起きて」

 その言葉に合わせるようにボタンのようなものを、何度も押していた。
 いい加減にしろと、自分に言い聞かせて、彼女の肩を優しく叩いた。

「頼む起きてください」

 三回ほどして、彼女の目が覚めた。

「た、タスク? おかえりぃ」

 寝起きの目を擦ると、語尾のいやらしさに理性を働かせて、今日の用事を彼女に伝える。
 うんうんと眠気と二日酔いがありそうなのに、気持ちよく承諾をしてくれた。
 今は、2時半であり、剣先生との約束まであと30分ある。





 二人は着替え終わり、剣先生がいる学習館へと向かう。

「そういえばもう八月も終わりだね」

 彼女は、風で髪をなびかせると、俺のちょっと前を歩く。
 若干、風の温度が冷めてきたなと思ったら、夏ももう終わりなのか……

「そうだね、ランク祭も終わったしもう少しで九月か…… 意外とあっという間だったわ」

 全ては、あの追試の授業からだったなと、振り返ってみる。
 まあよくここまでこれたなと自画自賛していいくらいにはな。

「マイは、普通なら高校三年生だっけ?」

「そうだよー。まあほとんど学校には行ってないけど」

 学校に行っていない? その疑問とともに前方の確認を怠っていたためか、犬のウン子を踏んだ。

「あーくっせ、あっ、これって犬のウン子!」

 ギャグマンガの一コマのような、セリフと行動に、彼女が笑っていた。

「ははは、タスクって本当に面白いね」

 彼女は、腹を抱えて笑っている。
 そんなにまで笑うと、こちらまで笑ってしまう。

 まあね! と、ナルシストなお調子者のように答える。

「ほんとうに、タスクに救われてばっかりだ」

 その言葉とともに少しだけ前をあるく、彼女の髪は風で舞い上がる。
 いま彼女がどんなことを思っているのかなんて俺にはわからない。
 だけどこれだけは言っておく必要があるなと思ったんだ。

「俺も君に救われたんだ、君会えてないと、こんなにまで前には進めなかったと思う」

 彼女の足はぴたりと止まり。

「ほんと?」

 こちらを振り向くと、真偽
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