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最弱能力者の英雄譚 〜二丁拳銃使いのFランカー〜
第二十六話
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ジリと煙草の音を鳴らす。

「たしかにな…… お前の日の浴びる瞬間を奪ってしまってすまない」

 素直に謝罪をする彼女。なにか理由があったんだろうか……
 なぜかこちらが悪いような気がしてならない。

「あ、すいません僕の代わりとやってくれたのに」

 のんびりと寝ていた俺の代わりに出てくれたんだ。
 そんなことよりも何か”裏”があるような気が、俺の中で感付く。

「そういえば、今日は私の家でバーベキューをしないかと思ったが…… その体じゃ来週くらいか?」

 その感ずいたおれの考えを妨げるように、医療器具によって体の回復を促進された俺の体を見て、そう彼女は聞く。
 とりあえす体は、おじいさんのようにがちがちになったものの、動けと思えば動ける。

「正直動けますけど、医者に聞いてみないとわかりませんね」

 その瞬間、彼女はナースコールを押していた。

「ちょっと先生何してるんですか!?」

 ジリジリジリジリと何回も押している彼女の手を止める。

「聞くならこうやって直接呼んだ方が早いからな」

 すると、ちょっとの時間が経つと、5人ほどの看護師がこちらの病棟に駆け込んできた。

「やあ」
 剣先生は、汗だくの看護師たちに、煙草の煙とあいさつをかける。
 この人ってほんとうに……



 それから俺の能力を知っているという医師が俺のところに来た。
 そして剣先生と俺の聞こえないような声で、会話をして、俺の腕に刺さっていた点滴針を抜いてもらった。
 覚醒せし感覚《Awake Sinn》を使えば彼女らの会話を聞くこともできたが、さすがに使うほどの度胸も性格も悪くはない。
 どうやら今から、退院ができるようで、看護師が準備を始めていた。
 剣先生は、じゃあまた私の家でと言われ、彼女の自宅へと帰っていった。

 ああ、もうちょっとここでのんびりしたいような気もするなあ。
 そういえば着替えが無かったと気づき、せせこら動いている看護師のお姉さんたちを見ながら携帯端末で家の固定電話へとかけた。

 3回のコールの後に、マイの声が出た。

「もしもし、佐部です」

「あ、マイ? 俺だけど」

「オレオレ詐欺というやつですね、お金は振り込みませんよ」

「違うよ、俺だよ俺!」

「否定しても、この私にはお見通しです、この希望財閥…… あっ」

「あ、じゃないよ!! 俺タスク! マイさんそんな貴重な情報ながしたらいけないでしょ!」

「もしかして、タスク?」

「もしかしてのタスクですよ」

「実際の声と電気を通した声とは全然違うじゃん!」

「そうなの? そういえば俺退院できるら
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