第二十六話
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「そいえば俺、授賞式出れなかったし、どうすんだ……」
「あ、ほらトロフィーならここにありますよ」
彼女は掴んでいた俺の手を放すと、立ち上がり、左上にあった机にあるトロフィーを見せた。
小さくも、しっかりとしたつくりがわかる金色だ。
「あ、出れなくても貰えちゃったんだ……」
普通もらえるかな…… まあ病欠みたいなものだし……
「私が男装をして出たんですよ!」
えっへんと最近彼女の体は、富んでいた肉体が、しっかりと引き締まっていたようにも見える。
え、それよりも男装をして授賞式に出たという真実に、まばたきが止まらない。
「よ、よくばれなかったな……」
とにかく驚いていた俺は、彼女の誇らしいようなよくわからない顔に、妙な信頼が芽生え……
なわけあるか! ああ、晴れ舞台…… なんで俺は出れなかったんだ。
自分の表彰式なのに……
とにかく落ち込んでしまった気分をあげようと必死になって楽しいことを考える。
無理です、さすがにこれには俺のメンタルも……
はあ……
「あの…… あれだ。ありがとうな俺の代わりに出てくれて……」
別に改めて別の日に俺専用の授賞式をとり行うのもよかったのではないかと……
まあでも、俺を応援してくれた人たちを心配させるしな。
なら影武者でもよかったか。
そうだ、そう考えることにしよう。
「ちょっと元気がないですよ? 体調悪いんですか?」
ユウの心配そうな顔が、俯いていた俺を覗き込む。
すぐさま顔をあげて、なんでもないよアピール。
「じぇじぇん、だいじゅぶ」
◇ ◆ ◇
「元気か少年?」
マイがユウを呼びに行くと病棟を後にすると、剣先生が、足っていく彼女を見て病棟に入った。
「先生外で会話聞いてたんでしょう?」
まあユウとの会話を聞かれて困ったところはない。
しかし他人に会話を聞かれるとなるとあまりいい気分はしない。
「何も聞いていないぞ、それより授賞式の件だが」
と、ユウから聞かれた話を彼女は始める。
「ああ、聞きましたよ…… 授賞式はユウが出たんでしょう?」
「そうだ、男装を私が教えたんだ。まあトロフィーはそこにあるから問題はないだろう?」
彼女は左上にあるトロフィーを見ると、煙草を吸おうとポケットから取り出す。
「あのですね先生…… 問題がないわけが無いでしょう?」
今まで日を浴びなかった人間が、まあ一応、優勝したんだ……
それなのに…… なんでだよお!
やっぱり感情が抑えきれなくなった俺の感情のように、彼女はジリ
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