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最弱能力者の英雄譚 〜二丁拳銃使いのFランカー〜
第二十五話
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うーん」

 もうちょっと言うことがなかったのではないかと、必死に頭を回転させこう言った。

「お前が想っている彼女もさ、どんな人かーなんて俺にはわからない。だけど、お前は彼女を支えたかったんじゃないの?」

 彼の言っている彼女のことの気持ちはどうかなんてわからない。
 だけど本当に愛しているのなら、相手を支えるものだと思っている。
 ただそれは、俺の考えであり、ただ目の前にいる彼に押し付けただけだ。
 それが罪だとは俺は思わない。
 彼は、彼女の笑顔に、その闘っている姿に惹かれてしまったと言っていたからだ。
 ならかたくなに一人で背負わず自分を押し殺さずに、彼女に思いの丈をぶつけるべきだと俺は思う。

「たしかに…… 確かにそうかもな。だがこれを奪ったからにはあの時のようには戻れない」

 彼は下を向き、そう答えた。
 トップを背負っている男とは思えないような、自身のない表情である。

「いや戻れるよ、人生はもう一度やりなおせる! まあソースは俺なんだけど。ほら」

 それを否定する。
 だめならやり直せと、剣先生に教えてもらった。
 それの受け入りだけどね。

 地に座っていた彼の体を支えて、立ち上がろうとした。

「本当にお前はお人好しの間抜け野郎が無能ゴミクズ腋臭」

 顔は見えない。
 だけど、罵倒の言葉からは、感謝の気持ちがわかった。

「はいはい…… めっちゃおも!」

 そうして俺のランク祭は、幕を閉じた。

















 ◇ ◆ ◇




 ランク祭が終わった俺は、部屋でぼーっとテレビを見ていた。
 時刻はPM9:00、窓から見える夜景は星々が自身の存在を示すかのように光っている。

 俺だけしかいない部屋に、バラエティー番組の音声が聞こえる。
 あのランク祭が終わった後に、大丈夫だと言ったものの病院に無理矢理に転送された。
 医師は俺の能力についてどうやら知っていたらしく、話はすぐに終わり、帰ると午後の9時になったということだ。

 マイとユウの顔を見たいとドアを開けたが、誰もいない部屋にテレビだけが付いていたのだ。

 すると眠気が襲ってきたので、リモコンでテレビを消し、ベットへと腰かける。

 ベットの柔らかさを堪能した瞬間に、携帯端末からメールが届いた音がきこえた。

[ランク祭制覇おめでとう(ピースの絵文字)お祝いは明日の授賞式と同時に行う。今日はゆっくりと休みたまえ(下を出している絵文字)]

 剣先生の顔文字の独特なセンスに、ちょっとした笑いが出た。
 確認が終わり、体をベットに倒すと、じっとコンテナハウスの天井を見る。
 ああ、終わったんだなと、とくに考える
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