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最弱能力者の英雄譚 〜二丁拳銃使いのFランカー〜
第二十五話
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女が持っていたものだ。彼女から奪ったからには私はやり遂げなければならない」

 目を下に、そして俺を見るために顔があがる。
 だからだろうか、かれの言うことに間違いがあると俺はそう思った。

「そこ子がお前のことをどうおもってるのかなんて俺には一切わかんねえよ
 だけどな! お前はあの子のそばにいたいと思っていったんだろう」

「……」

 彼はうつむきながら俺の話を聞いていた。
 まるで自分の心を殺してもみえるその顔に、過去の自分の面影があると感じる。
 俺は、あこがれている人になるためにどうしても戦いたかった。
 実戦授業を受けることができなかった俺には戦うことは許されなかった。
 そんな昔、雁字搦めの状態を経験した。
 だから、過去の自分を彼にも重ね合わせていたのかもしれない。
 でも、だからこそ彼に言おう。

「だったら傍にいろ! あの子が世界を助けようとしている信念さえも奪って!」

 銃を奴に構え、こうも叫ぶ。

「ほんとうはあの子の支えになりたいと思ったんだろう!?」

 あくまで俺の勝手な憶測にすぎない。
 だけどどうしても言わなければならないと叫んだ。
 それが彼にとって余計なお世話でもいい。

「……だからだ! 私は一人でやらなければならんのだ!」

 全ては自分が始めたことなんだと。
 そうとも意味が取れる言葉。

「あの子の代わりとなり、私の手であの子の笑顔、あの子が守ろうとした世界を救う!」

 搾り取るように彼はそういう。
 だけど…… だけど!!

「……もう辛いことは私だけで、いい!!」

 それでもと、彼は叫んだ。
 なんでだよ、もっと簡単なところに、ハッピーエンドがあるだろうが。

「馬鹿野郎! だからなんでそうお前は一人で背負おうとするんだよ! そんなのがかっこいいって思ってんのか!!」

「つらい思いをしている彼女の代わりとなる…… それは彼女が好きだからだ! ならやって当然だろう!!」

 だからこそ、誰か一人を犠牲にしてやっているこんな世界が大嫌いだと遺伝子レベル、いや運命レベルで分かっていた。
 そんなクソみたいなエンドなんて…… 俺はいらない。
 みんながハッピーになれるエンドを。
 それが間違いでも、そんなものは無いと言われても。
 彼のすぐそばにはあるじゃないか。

「本当に愛しているのなら、相手を支える! そうじゃねえのかよ!!」

 前方にいる彼の方へと俺は駆けだした。
 すぐそばにある、勇気を出せば彼とっては遠くても、すぐ近くの届けるハッピーエンドを教えるために。

「あのこが笑って暮らせるなら! 私はそれでいいのだああああああ!!!!」

 俺の全身を真っ向から否定しなければならな
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