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最弱能力者の英雄譚 〜二丁拳銃使いのFランカー〜
第二十四話
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と言ったあたりで、足の下に胃があるだろう場所を、強く踏んだ。

「ガッハ!!」

 その凄まじい重圧に、胃の液は、吐き出された息とともに、口から排出される。
 胃酸と口の中にある血が交じり合い、苦くも鉄の味がする奇妙な味を味わいながら奴の姿を見る。
 彼女……? 奴のその行動の裏に何があるのか。

「その責務、業、宿命、運命、力、罪、それがお前にはわかるかッ!!」

 怒涛な言葉の数々は、自身がおかれている境地と受け取る。
 わかんねえよ、俺にはわからねえ!! 
 奴の足底を持ち上げるように掴むと、これでもかと叫ぶ。

「んなもんわかるか! だけどな一つだけ言っといてやる。俺はあこがれているあの人のためにお前を越えなきゃいけないんだ!!」

 奴がその大剣を構えているのを対抗して、俺は二丁の銃を構えた。

「貴様…… そんなもののために戦っていたのか」

 頭を抱えるようにして手を額にかざし、その口を片方あげていた。
 ”そんなもの”か…… 確かにお前には道端に落ちている石のように”そんなもの”なのかもしれない。
 だけど俺には…… 俺には…………
 ”大事なもの”だッ!!

 バンッ!!!!

 俺は同時に銃弾を放った。
 奴は銃声と同時に、俺の両腕を掴み、軌道をずらす。
 扇の軸のように飛んでいった弾をよそに、俺はこう叫んだ。

「黙ってろ!! 俺は成し遂げるんだ。俺を支えてくれた者のために、俺を導いてくれた者のために、俺を見ている守るべき者のためにッ!!」

 上手く奴の腕をほどき、体重の乗っていた足をほどき、素早く奴から距離をとった。
 距離5メートルはあり、奴が攻撃を仕掛けてきてもある程度は対応できる距離だ。
 その一連の行動、言葉を聞くと奴はこう叫んだ。

「ハハハッ!! 笑わせてくれる!!」

 天高らかに、両手を広げると、まるでありもしないものを、あると豪語している人をみるようにして俺をあざ笑っていた。
 決勝ここまできた俺には、そんな言い分さえも心には響かなかった。
 それは、俺にはやれる自信があったからだ。

「その理想ごと、この俺が切り裂いてやる」

 さきほどの痛快な笑顔とはまるで違う、いつものような厳格な顔へと変わっていた。 
 すぐ横に置いていた大剣を突き刺さっていたコンクリートから軽々と抜き取る。

「俺を切り刻んでみやがれ!! なんどでも俺は這いずり進むぜ!!」

 もう一度奴めがけてその2丁の銃を構え、瞬きする間にナイフへと変える。

「はいずり進むか…… ならウジ虫のように腐った死体を食べていろッ!! そんなお前は腐った肉をたべているように、何をしてもその程度なのだ!! 無知なのだよお前はッ!!」

 言い終わった瞬
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