第二十一話
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「ファイッ!!」
始まりの火ぶたが切って落とされた。
両者一斉に、向かい合っている相手と距離を取る。
距離が20メートルほど離れたと同時に、奴の腰から小型のアサルトライフルが飛び出してきた。
いままで腰にすっぽりと収まっていたため、奴がアサルトライフルを持っていることに気づかなかった。
――――ダッ、ダッ、ダッ、ダッ、ダッ。
奴の銃から放たれた銃弾は、一発は元に立っていた白線の位置に当たり。
二発目は、俺の体を追うようにして、空中を切る。
すぐさま体の軸移動による、軌道変更によって二発目は回避することが出できた。
そのままジグザグに横へと走り、三、四、五発目が向かってくると同時に遮蔽物に隠れることができた。
状況を確認するように、彼の攻撃を遮蔽物から確認する。
すぐ近くからは、鉄とコンクリートの弾けるような音が聞こえてきた。
銃弾は、こちらを狙って連射による手数を知らしめていた。
――――アサルトライフル。
それが今戦っている敵の武器である。
自身の力が、表面的に表すことができない能力者の大抵は重火器を使って戦いを繰り広げる。
俺もこの二丁の愛銃で、ここまで勝ち上がってきた。
奴も同じ系統の武器である。
それは、一昔前の能力者が戦場を闊歩していない時代の戦いと、同じである。
深呼吸を三度ほどして、少しだけ乱れていた息を整える。
奴も同じ銃火器使いだということに親近感がわいたのだ。
接近戦が得意なものは、この狭いランク祭において自身の体を使ったほうが、まだ早く終わると言っていた。
奴の足音を十一時の方向から耳から音を拾い確認。
両脇にあるホルスターから、愛銃を二丁取り出した。
白銀のフレームが、光沢をみせ、これからの激戦が始まるということに、気分が高ぶる。
浅く左を向き、遮蔽物から飛び出した。
奴は向かって左の一五メートル離れている柱から、その移動を見越して、三秒ほどの連射。
――――ダダダダダダダダッ。
その射撃によって見せた体を、走りながら放つ。
上手く奴は隠れ、一発は遮蔽物すれすれを通り、もう一発はコンクリートをえぐった。
そのまま奴の対角線上に移動するように、隠れる。
対銃火器の戦闘は、両者の誰かが大きく出れば戦況は変わる。
遮蔽物に背中でもたれかけ、奴が移動するのか聴覚をフル活用して聞いていた。
能力者の大抵は、その能力を生かした戦闘を繰り広げる。
あるものは鎌を使い、あるものはその手に銃弾さえ防ぐことができるグローブをはめる。
誰も彼もが、銃を使わないということはないが、使う人間は少数派なのだ。
しかし、この
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