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最弱能力者の英雄譚 〜二丁拳銃使いのFランカー〜
第十九話
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しっかりと動けるようにはなっていた。

 全速力で、二つの銃をとり、それを後ろに渡すように構え、感を頼りに奴へと放った。
 そのまま倒れ込むように、体を転がし、奴の状態を見た。

「てめえ!! この場に及んでまだそんな元気があったのかよぉ!!」

 奴は噴笑しかけるように叫ぶと、アッパーパンチをする要領で俺の方へと中指を立てた。
 見ると右肩に銃弾が当たったのか、だらだらと血が流れ、地へと水たまりのように溜まっていく。
 あの損傷を見るに、最後の攻撃が仕掛けられてくるだろう。

「威勢がいいな。突進攻撃はこれで終わりか?」

「俺はやれるぜ。おめえはどうだ無能力者!」

「余裕だよ」

 多くを語る必要はないと思っていた。
 なぜならそれは、戦闘をしているからだ。
 残り少ない時間だと、俺とこいつの間ではわかっていた。

(最後に立っているのはこの俺だ)

 奴の本気はこれから来るだろう。

「ほんじゃまあ……」

 奴はそれでもと、その攻撃態勢を変えない。
 しかし、今までとは違うその雰囲気に、頬にビリビリとちらつくような緊張感が走った。

「行かせてもらうぜえええええええええええええええええええええ!!!!」

 絶叫、そして絶叫。

「ドロップウウウウウウ!!!!!!スタンプウゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!!!!!!!!」

 来たッ!! 奴の至高にして、強烈にして、必殺であり最強の技。
 先ほどはまともに食らって、その威力にメンタルを持っていかれた。
 だが、今度は二度と根をあげることはない。

 ――――さあ、来い!!

 俺はモロに攻撃を受けた。
 ひたすら地面に力を入れて立っていた俺は、無残にも、空気に舞う埃のように吹き飛ばされた。

 一個目の障害物に当たると、その身とコンクリートが同時に吹き飛び、下半身が外れて、次の障害物へと休む間もなく飛んでいく。

 まともな人間ならば死んでいてもおかしくない攻撃に――


 ――――ゥアァッ!!


 口から固形物が出ていくのが分かった。
 そのダメージにも関わらず、たがが外れているであろう能力は、その体を意識共々再生させる。

「ああああああああああああああ!!!!」

 かすかな視界が戻ったと思えば、全身崩壊による激痛が俺を襲った。
 そして電撃が流れるようにその体を震わせると再生が始まった。

「ぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい」

 未だ続く凄まじい激痛に、がちがちと歯を鳴らし、再生を待っている。
 徐々に激痛が一つ一つ無くなっていき、感覚もだんだんと元の体に戻っている。
 その感覚を、痛みに狂った頭で感じ取り、視界はぼやけ口からはよだれ
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