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最弱能力者の英雄譚 〜二丁拳銃使いのFランカー〜
第十九話
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っ飛ばされていた俺は、目の前の自身の血肉、内装に大きな咳と共に血を吐いた。
 赤い血の池は、俺の顔を反射して、目の前の内臓などからは生臭いにおいを放っている。
 俺の内臓なのかと気づいた時には、激痛と再生が始まっていた。
 そして、再生が終わった合図であるしびれるような感覚で、俺はゆっくりと立ち上がった。

 地に落ちていた内臓は凄まじい速度で乾燥すると、砂煙となって風と共に消えていく。

 そこには激痛を楽しんでいる俺がいた。
 Mという体質ではなく、自身の再生能力に面白いという感想が生まれたのだ。

 ――――この感覚、病み付きになる。

 なあこれが”力”ってやつなのかよ……
 このバケモノめいた現象が……

 たまらない。ああ、お前らは自分の能力?さいのう?にこんな思いを巡らせていたんだな。
 無能力と言われていた過去だったが、今の自分にとんでもないような万能感が芽生えていた。

 俺は、やれる。

 なあ、俺を見下していたお前ら、どうだ。

 俺はお前らよりやれるんだぞ。
 だからしっかりと見ていろ。

 ――――――俺の戦いを。



 覚醒せし感覚《Awake Sinn》――――――。


 意識が加速し、ゴウを除いた映像の簡略化が始まった。
 そして、背景は絵の具をにじませたように、歪んでいく。

 俺を立ったのを確認したのか、奴は攻撃をする構えをとっていた。
 脳の情報選択に痛覚の情報を消した。
 次に、いかに少ない移動で彼の攻撃を浅いダメージにするかそのことに重点を置く。
 吹っ飛ばされた攻撃の影響で、銃が奴の近くに落ちている。
 一つは奴の5メートル横に、もう一つは左後方の3メートル離れた位置だ。
 攻撃を加えるには、二つの銃を取り直さなければなければならない。
 なぜ避けることに専念せずに、攻撃を加える必要がるのか。
 少しでも時間を稼ぐことと、攻撃を躱すことが難しいからである。
 奴の攻撃回数はあと少しで終わりといったところだろう。
 腰にあるマガジンポーチの重さで、だいたいのいくつマガジンがあるか考える。

 ざっと九つと言ったところだろうか。

 敵を視界にとらえる。
 奴は休みも容赦もなく、攻撃態勢に入った。
 地をなぞるように擦ると、凄まじい眼光をこちらに向けてきた。

 ――――突撃。

 前転をするように、避けるが遅かったのか足にへと、その攻撃が当たった。
 足は宙に舞って、目の前に落ちる。
 血が水を出しているホースのように勢いよく噴出し、周り一帯は血の池と化している。
 足をわし掴み、切られた足へとくっ付けた。
 すると、再生能力が発動した。
 接ぎ木をするようにして、何倍もの速さで再生する足。
 
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