第十六話
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あこがれのあの人に近づくため――それが俺の出した答えだ。
指定された時間よりも早くに、ランク祭の会場へとついた俺は、上にある観客席から会場の戦闘エリアを一望していた。
早くに付いたからか、まだ人の気がない。
ここから見る戦闘エリア。それは、無機質で何とも言えない悲壮感が湧き上がってくる。
等しく配置されたコンクリート状の2×1サイズ遮蔽物。
なぜ配置されているのかわからない水場。
特に戦術が思い浮かべているというわけでもないが、眺める。
すると突然、後ろのドアが、ガラガラと音を立てて開いた。
後ろを覗き込むようにしてみると、剣先生がそこに立っていた。
「少年調子はどうだ?」
となりに座っている剣先生が俺を見る。
そして煙草をトントンと膝に当てて葉を詰めていた。
「それなりですよ。先生は?」
そう言い先生を見ると、ジッポで先端に火をつけている。
ジリジリと音を出しながら、一呼吸するとすぐに口の煙を出した。
「まあまあだな…… ランク祭となると私も忙しくてな、とてもじゃないが疲れる」
と彼女は大きく背伸びをする。
大きく富んだバストに目が行ってしまいそうになってしまったが、鋼の理性で乗り切った。
「どうだ? 勝ち上がれる見込みはあるか?」
気だるそうにしながら、背もたれに腕を回しながら聞いてきた。
強烈に大きい乳袋が強調され、年相応の俺には刺激が強い。
すぐさま視界を目の前に広がっている戦闘エリアに変える。
「だ、大丈夫ですよ……」
焦りを隠そうと思いながら、彼女に告げる。
なんだろうか…… 今日はやけに色気がある場面が多いと思った。
これから戦闘を始めるってのに…… 俺は大丈夫なのか?
自分の生理現象に嫌気がさしながら、彼女を見る。
「フフッ、お前は成長したと思っていたら、まだガキンチョだな!!」
鼻か口かで笑ったのだろう。
いい終わると豪快に俺の首を腕で絞めて、頭をグリグリする。
「いたいたた、痛いですよ先生!」
必死な抵抗を先生にする。
頭のてっぺんの痛さに、右の顔に乳が何度も押し付けられてきた。
突然、彼女はその手を止めると、体を突き放し、勢いよく背中を平手打ち。
「お前にならやれる。じゃあまた後でな」
そう言って彼女は立ち上がって、帰ろうとした。
そんな彼女を止めるわけでもなく。
「見ていてください。必ずやり遂げます」
そんなことを言った俺を、彼女は澄み渡る笑顔で返した。
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